点検・巡回作業は電波が届かない場所での作業も多く、デジタル活用の恩恵が受けにくいという理由で、非効率なアナログ業務が多く残っている場合もあります。この記事では、電波が届かない場所での点検・巡回作業の業務課題を探りつつ、業務用モバイルアプリの導入メリットや具体的な事例を紹介します。
店舗や工場、倉庫、客先などの「現場」では、インターネットへの接続が困難な場所も数多く存在しています。インターネット環境に左右されずどこでも利用できるモバイルアプリを活用することで、アナログ業務の業務効率化を実現した事例をご紹介します。
立ち仕事や移動を伴うことが多い現場を巡回・点検する作業員は、作業場所から即座に報告や記録ができるように、ノートPCよりも携行性と機動性に優れたスマートフォンを活用したい方も多いでしょう。
しかし、臨海部や山間部などに展開されている工場や倉庫、街中でも建物の地下や高層ビルの上層部では、Wi-Fiが届かなかったりスマートフォンのモバイルデータ通信が圏外になったりということも決して珍しくはありません。このような電波が届きにくい場所では、本来すぐにスマートフォンから作業報告ができる内容を、電波が届く場所に移動してから入力する状況が考えられます。それにより、現場で報告業務を完了できず、以下のような課題が生じる可能性があります。
Wi-Fiやモバイルデータ通信環境がない”オフライン環境”でスマートフォンを利用した業務を行う場合、業務用モバイルアプリの活用が効果的です。
業務用モバイルアプリとは、スマートフォン上で利用できる業務アプリのことです。消費者向けに提供される販促アプリと異なり、業務アプリは企業が業務効率化を目的に利用します。
業務アプリには、大きくわけてモバイルアプリとWebアプリの2種類があります。モバイルアプリは、スマートフォンにインストールして利用するアプリのことで、Wi-Fiやモバイルデータ通信ができる環境がなくても、オンライン対応が可能な機能が搭載されているアプリであれば操作することが可能です。一方で、WebアプリはWi-Fiやモバイルデータ通信を介してアプリに接続するため、原則として通信環境がないと利用ができません。
例えば、巡回・点検の作業場所がモバイルデータ通信のできない環境でも、オフライン対応の業務用モバイルアプリなら操作が可能であり、その場で報告や記録を行うことができるメリットがあります。この報告や記録した内容は、スマートフォンがWi-Fiやモバイルデータ通信が利用できる”オンライン環境”に移ったときに、クラウド上に保存される仕組みです。
点検作業や巡回作業で業務用モバイルアプリを活用している企業の事例をご紹介します。
ここでご紹介する事例は、オフライン環境にも対応した業務用モバイルアプリが作成できるツール「Platio(プラティオ)」を導入し、運用している企業の事例です。
Platioは、あらかじめ用意された100種類以上のテンプレートから業務用途にあわせて必要なものを選び、ドラッグ&ドロップでパーツを配置していく簡単なマウス操作でアプリを作成できます。
そのため、ITツールの導入を経験したことがない方でも、簡単かつスピーディーにアプリ作成を進めていくことが可能です。また、初期費用0円、月額20,000円〜利用できるため、スモールスタートから試すことができます。
Platioを導入した企業は、現場の従業員が自らアナログ業務を効率化するためのアプリを作成することが可能であり、作成したアプリは即座に現場で利用できます。
同社では配送業務において紙の伝票を使用していましたが、毎日約60件の伝票を配送順に手作業で並び替えする必要がありました。また、その日の実績や変更点は、帰社した後に紙の伝票から基幹システムへと手作業で転記しており、手間がかかることや入力ミスが発生することに課題を感じていました。
そこで、Platioで「配送管理アプリ」を作成し、基幹システムの1つである販売管理システムとAPIでデータ連携することで、入力作業を自動化しました。作成したアプリはオフライン環境でも配送情報を登録できるため、地下やビルの高層階といった、電波が届きにくいような場所でも入力作業を現場で完結できます。結果として、今まで約40分かかっていた帰社後の作業時間が約5分まで短縮し、配送員の業務負担や残業時間の削減に成功しています。
設備の点検結果や臭気指数を記録する「工場日常点検」や夏期の熱中症予防のための「暑さ指数(WBGT)管理」など、現場の報告業務は紙で行っていました。しかし、紛失や破損などのリスクがあるうえ、手書きの記入やファイリングに手間がかかる、せっかく蓄積した情報を役立てづらいなどの課題がありました。
そこで、Platioで紙の報告業務を最短1時間でアプリ化。報告や情報管理業務を効率化し、データ蓄積による分析や改善計画に役立てています。
また、アプリを活用することで、電波環境が悪い作業現場でもその場で報告業務を完結できるようになり、報告業務と現場データの収集が効率化されました。
熊本県北端部の九州山地に位置する小国町は、町域の約8割が山林です。過去の災害発生時には、電話や来庁者から報告される被災状況を大判用紙に書き込み、災害対策本部で共有していました。しかし、文字だけでは正確な現場の状況や位置を把握しにくく、また実際に現場を確認したとしても役場に戻るまで情報が共有されないという問題がありました。
Platioを活用して「被災状況報告アプリ」を1日で作成。電波状況が不安定な現場でも、場所を選ばずその場で情報共有が可能になりました。災害発生時には本部のモニター上の地図で町全体の被災状況を素早く把握し、初動対応の迅速化にも貢献しています。
Wi-Fiやモバイルデータ通信を介してアプリ接続ができないオフライン環境での巡回・点検作業は、「作業効率の低下」「情報精度の低下」「報告漏れ」といった課題を抱えています。しかし、業務用モバイルアプリの活用でオフライン環境でもアプリ操作ができるようになれば、これらの課題を克服することが可能です。
業務用モバイルアプリと聞くと難しい印象を持つ方もいるかもしれません。しかし、事例でご紹介したようにPlatioは現場の従業員が簡単に業務 アプリを作成し、素早く業務効率化を実現しています。Platioは無料体験があるので、まずは実際にPlatioを試してみませんか?
店舗や工場、倉庫、客先などの「現場」では、インターネットへの接続が困難な場所も数多く存在しています。インターネット環境に左右されずどこでも利用できるモバイルアプリを活用することで、アナログ業務の業務効率化を実現した事例をご紹介します。