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製造現場で発生するチョコ停の原因とは?ドカ停との違いやその防止方法

チョコ停

チョコ停とは?発生要因とドカ停止との違い

チョコ停とは「ちょこっと停止」の略語であり、製造業の現場でトラブルが起きた際によく使われる言葉です。生産が短時間停止することから「ちょこっと」という言葉が使われており、JIS(日本産業規格)にも生産管理用語として掲載されている言葉です。チョコ停は短時間であるとはいえ、製品に影響が出たり、納期が遅れたりするリスクが生じることもあります。時間の長さの定義は、特に決まっていません。

チョコ停が発生する要因

チョコ停が発生する要因として以下が挙げられます。

<供給物の搬送時によくあるチョコ停の要因例>

  • 供給物の詰まり
  • 供給待ち
  • 過剰供給
  • 脱落・脱線
  • 供給物の不良

<運送機械の問題でよくあるチョコ停の要因例>

  • 機械部品の噛み込み
  • 機械部品切れ
  • 組み立て不良
  • 破損

チョコ停が発生した場合は、たとえ簡単にリカバリーできたとしても、問題を先送りしたり放置したりせずに、対策を行うことが重要です。

チョコ停とドカ停の違い

チョコ停と似たような意味で使われるのが「ドカ停」です。ドカ停は「ドカっと停止」の略語であり、生産が長期間停止することを意味します。ドカ停の時間もチョコ停と同じように、明確な定義はありません。しかし、一般的に1時間以上稼働が停止する場合は「ドカ停」という言葉を使うようです。

チョコ停率とは

チョコ停率とは、生産設備の全体的な稼働時間のうち、チョコ停が発生した「時間の割合」です。チョコ停率の計算式・計算方法は以下のとおりとなります。

稼動時間 = 可動時間 + チョコ停した時間 + 空転等の時間
チョコ停率 =(チョコ停した時間 ÷ 稼動時間)× 100

チョコ停が発生する原因

チョコ停が発生する原因は、環境や状況によって様々です。一般的には、以下のような原因が考えられます。

定期メンテナンスを怠る

チョコ停の主な原因は、定期メンテナンスを怠ることにあります。定期メンテナンスを行うことで問題が見つかりやすく、チョコ停の発生率は下げられます。しかし、きちんと行われない場合は小さな問題が見逃されやすく、チョコ停が発生しやすくなるので注意しましょう。また、定期メンテナンスを怠ることで清掃が不十分になり、センサー類が反応しなくなるなどの影響を及ぼすこともあります。うっかり点検時期を逃してしまったなどの不備がないように、しっかりと点検管理を徹底しましょう。

製造ラインが適切なバランスを保てていない

製造ラインのバランスが取れているかどうかもチョコ停の原因となります。製品・部品・材料をどのくらいの量で流すのか、どの程度の速度で流すのか、どのように不良品を選別するのかなどを適切に設計することが大切です。適切に設計できていない場合は、ライン上で詰まりや引っかかりを起こしてチョコ停してしまうことがあります。

軽度な不具合を報告・蓄積する仕組みがない

チョコ停は、短時間で解決できてしまうものや、現場の作業員によってすぐに再開できてしまうことが多いため、トラブルが顕在化しにくいという問題があります。また、チョコ停後は、遅れた作業を取り戻すため、作業員が記録を取るのを後回しにして報告を忘れてしまうこともあります。多くの作業員は、事務所に帰ってから報告書にまとめることが多いため、軽度な不具合なら報告せずに済ませてしまうこともあるでしょう。

大きなトラブルに発展した後に聞き込みを行うと「何度かチョコ停していた」「自分が担当していたときもチョコ停した」などという声が挙がってくるケースが多いです。チョコ停が発生した際に、不具合を報告したり情報を蓄積する仕組みが整っていれば、早急に解決できる問題もあるでしょう。しかし、ほとんどの場合、チョコ停が発生していることに気づかないまま大きなトラブルを迎えてしまいます。

チョコ停が発生することによって製造現場に与える影響

チョコ停は、ドカ停に比べて比較的短時間で復旧しやすく、停止する範囲も部分的であることが多い傾向にあります。すぐに再開してしまうため、不具合が日常的になって見逃されやすく、対策されにくいのが問題です。

ここでは製造現場へのよくある影響を記載します。

納品が遅延する恐れ

少しの遅れが全体的な遅れにつながることもあるでしょう。納期の遅延は、企業の信頼問題にも関わるため、チョコ停を小さな問題として放置し続けるのは非常に危険です。

製造品質低下の恐れ

製造の流れが停止することによって、製品の品質が低下したり、不良品が増加したりするリスクもあります。復旧作業中は安全上のリスクも伴うため、できるだけ早く対策することが大切です。

怪我につながる恐れ

設備が停止した際、作業者自身が解決できるような要因(供給物の詰まり や引っかかりなど)だった場合、作業者自身が解消した途端、予期せず急作動し、大怪我につながってしまう恐れもあります。このようなリスクを最小限にするためにも、できるかぎりチョコ停の発生を防止することが大切です。

チョコ停対策方法

チョコ停は、問題を小さなうちに顕在化させ、対策を行うことが重要です。そこで、チョコ停を顕在化し、改善に向けてどのような対策を取ったらよいのか具体的に解説します。

チョコ停によるロスを数値化する

対策を行う際には、チョコ停が発生した際に「トラブル発生の要因」「かかった時間や工数」「従業員・機械の動作状況」などの記録を取り、ロスを数値化することから始めます。ロスを数値化する際は「ワークサンプリング」がおすすめです。ワークサンプリングは、統計的手法の側面があるため、数日から数週間など、ある程度の日数をかけて行います。

チョコ停の防止対策を目的としたワークサンプリングの場合は、工場設備を「稼働」「非稼働」に分けて行います。非稼働はさらに「設備トラブル」「チョコ停」「段取り替え」に分類します。

チョコ停の時間を数値化したら、次は稼働率を計算しましょう。稼働率の計算方法は以下のとおりです。負荷時間は、設定した期間のうち設備が稼動する時間を指します。稼働時間は、負荷時間から「計画停止時間」と「停止ロス時間」を引いた「設備が実際に稼働していた」時間です。以下で算出される稼働率の差がチョコ停による稼働率の低下(ロス)を表します。

稼動率(%)= 稼働時間 ÷ 負荷時間
チョコ停を入れた稼動率(%)= 稼働時間 ÷(負荷時間 + チョコ停時間)

チョコ停の原因を特定する

ロスの数値化ができたら、次は原因の特定です。要因を絞り込んでいく際は、簡単なワークシートに記録するのが良いでしょう。ワークサンプリングで分かったトラブル発生要因・発生回数を、ワークシートに書き込んでいきます。

ワークシートに記録したデータが集まったら、パレート図を作成しましょう。パレート図とは、対象の度数を大きい順に並べた「棒グラフ」と累積比率を表す「折れ線グラフ」を組み合わせた図で、発生した問題を分析したり問題を軽減したりするのに役立ちます。チョコ停対策においては縦軸に「発生の件数や割合」を、横軸に「発生要因」を置いて分析します。

改善効果の分析

パレート図を分析することによって優先度の高い原因を特定できるので、対策案を検討していきましょう。チョコ停の損失額を計算すれば、実際に対策を行うかどうかの判断ができるようになります。チョコ停1回分における「損失額」の算出方法は、以下のとおりです。

損失額 = チョコ停した時間 × 時間あたりの生産数 × 製品単価

対策を実行したら、効果がきちんと出ているかを確認することも必要です。「対策が完了したら終わり」ではなく、対策後に発生率が減っているかどうかを必ず確認しましょう。

すぐに報告・共有できる仕組みを構築する

チョコ停対策では、ロスを数値化することが第一歩です。チョコ停が発生している現実を確認し、数値化することが大切ですが、実際はこの工程が一番難しいといってもよいでしょう。なぜなら、作業員は後れを取り戻すのに必死だったり、チョコ停の記録を忘れてしまったりするからです。メモを残す、ホワイトボードに記録を残すなどの行動は起こしていても、事務所に戻ってパソコンに入力するのを忘れてしまったり、面倒になって入力しなかったりします。チョコ停が発生したらすぐに報告・共有できる仕組みを構築することが重要です。

そこでおすすめしたいのが、現場で起こった状況をすぐにその場で登録できるスマホ用の「業務アプリ」の活用です。業務アプリは、写真や動画もスマホから簡単に添付できるため、文章で表現しにくいトラブルも簡単に情報共有できます。また、今まで紙で管理していた業務がデジタル化されるため、作業員は事務所に戻ってデータを入力する手間がなくなります。

時間やコストの削減とリアルタイムな情報共有が可能になるため、現場で働く従業員と管理者の双方の業務改善にもつながるでしょう。

チョコ停対策にも効く「業務アプリ」活用事例をご紹介

現場の報告業務の効率化には、スマホを活用した「業務アプリ」が効果的です。

業務アプリ(モバイルアプリ)とは

業務アプリ(モバイルアプリ)とは、企業の業務効率化を図るために導入するアプリです。スマホやタブレットで利用できるため、オフィスよりも 現場にいることが多い製造業や建設業などでも手軽にその場で利用でき オフライン環境でも動作するため 非常に注目されています。

業務アプリについては、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

また、アナログな現場で業務アプリが注目されている理由については以下の資料でも詳しく解説 していますので合わせてご覧ください。

今回は、モバイルアプリ作成ツール「 Platio(プラティオ)」を活用し、現場業務を効率化し た企業の事例をご紹介します。Platioは、業務に合った100種類以上のテンプレートを選ぶだけで、誰でも簡単に業務アプリが作成できるモバイルアプリ作成ツールです。スマホのシンプルな操作性で現場に馴染みやすく、月額2万円からの低価格で業務効率化を実現できます。

豊通リサイクル株式会社 様
報告件数が倍増!ヒヤリハット/改善提案アプリを3時間で作成

廃車から鉄や非鉄金属のリサイクルや、中古パーツをリユースしクルマの資源循環に貢献している豊通リサイクル様では、工場で重く切り口が鋭利な材料や、金属を破砕・圧縮する大型設備を扱うため、事故防止に向けたヒヤリハット報告や改善提案を重要視しています。しかし紙の報告書では記入や情報管理に手間がかかるという課題がありました。

そこでPlatioを導入し、「ヒヤリハット報告アプリ」「業務改善提案アプリ」をわずか3時間で作成。その場で報告できる手軽さから現場の情報を確実に収集できるようになり、報告件数が倍増しました。

また、報告から情報管理までのプロセスが効率化され、フィードバックまでのサイクルが高速化されたことで、改善意欲の向上にもつながっています。

豊通リサイクル株式会社様、報告件数が倍増!ヒヤリハット/改善提案アプリを3時間で作成

事例の詳細は、こちらから。

豊通リサイクル株式会社様、報告件数が倍増!ヒヤリハット/改善提案アプリを3時間で作成

株式会社興徳クリーナー様
工場の日常点検報告をアプリ化し、年間400時間の業務を削減

工場などから排出される廃アルカリ、廃酸の中和など産業廃棄物の中間処理を行っている興徳クリーナー様では、設備の点検結果や臭気指数を記録する「工場日常点検」や、夏期の熱中症予防のための「暑さ指数(WBGT)管理」など現場の報告業務は紙で行っていました。しかし、そのままでは紛失や破損などのリスクがある上、手書きの記入やファイリングが手間、せっかく蓄積した情報を役立てづらいなどの課題があったため、業務アプリ作成ツールを導入し、紙の報告業務を最短1時間でアプリ化。報告や情報管理業務を効率化し、データ蓄積による分析や改善計画に役立てています。

株式会社興徳クリーナー様 工場の日常点検報告をアプリ化し、年間400時間の業務を削減!

事例の詳細は、こちらから。

株式会社興徳クリーナー様 工場の日常点検報告をアプリ化し、年間400時間の業務を削減!

株式会社小坂田建設 様
車両/建機点検アプリでオイル交換時期を確実に把握し故障を予防

岡山県で幅広い建設・土木工事を展開している株式会社小坂田建設様では、始業前点検をはじめとする点検・管理を徹底しています。しかし、紙による管理では、用紙が雨に濡れて破れたり紛失するリスクがありました。その他、点検管理の不備からオイル交換の時期を逃すとエンジンの修理に約80万円/台かかってしまうなどの課題がありました。

そこで、Platioで「車両・建機点検アプリ」を2日で作成。現場で手軽に報告できるため、記録漏れがなくなり、点検管理品質が向上しました。また、アプリ化により、プッシュ通知に加え、メールでも交換時期が自動送信されるため、点検時期を逃すことなく実施できるようになりました。

さらに、アプリによる点検で車両や建機の状態について意識する機会が増えたことで点検意識が高まり、結果的に故障の予防につながっています。

株式会社小坂田建設 
車両/建機点検アプリでオイル交換時期を確実に把握し故障を予防

事例の詳細は、こちらから。

株式会社小坂田建設 車両/建機点検アプリでオイル交換時期を確実に把握し故障を予防

まとめ

製造業の現場でよく起こりがちな「チョコ停」の原因や対策方法について解説しました。チョコ停を防ぐには、不具合が起きてすぐに報告・共有できる仕組みを構築し、原因やロスを「見える化」することが何よりも重要です。

今回は、現場の業務改善に役立つ「業務アプリ」についてご紹介しました。その中でも、現場の従業員でも簡単にアプリが作成できるモバイルアプリ作成ツール Platioを活用した事例についてもご紹介したので、ぜひ参考にしてください。また、モバイルワーク普及を阻む課題・解決策や進まないDXの打開策が分かる資料のダウンロードについて、以下もあわせてご覧ください。

Platioの導入背景や効果を導入担当者にインタビュー!

製造業のDXのポイントを徹底解説!

Platio編集部 最終責任者:中野

著者画像 中野

2013年にアステリアに入社。制作からディレクションなどPlatioのWEB関連を担当をしています。

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