「ポカ」とは、一般的に不注意などによって生じる「見落とし」「手落ち」「うっかりミス」などを指します。ポカミスは思いがけず発生してしまうことが多く、対策しづらいのが難点です。ポカミスは人による不注意ばかりではなく、機械設備や作業環境などが原因で起こってしまうこともあります。ポカミスが原因で製品不良につながり、クレームが発生してしまうこともあるでしょう。ポカミスが発生する場合は、原因を探り、企業として対策していくことが大切です。
ポカミスはどこでも起こりやすく、原因は業種や職種によって様々です。こちらでは、一般的に起こりやすいポカミスの2つの原因についてご紹介します。
ポカミスで最も多いのは、ヒューマンエラーです。普段の生活でも、買い物リストを持参したはずなのに、つい見落として買うべきものを忘れてしまったというような意図しない人為的なミスのことです。仕事においても同様で、「見落とす」「見間違える」「忘れる」「誤解する」などが原因で思いがけないミスが起こります。
また、作業に慣れていない、作業が分かりにくい、作業者自身のメンタルなど、ヒューマンエラーが起こりやすい原因も様々です。
このような要因によって、「ボタンを押し間違えた」「作業手順を飛ばした」「見逃した」などのポカミスが発生してしまいます。
ポカミスは、作業環境や設備不良によっても起こりやすくなります。例えば、動きづらい、物が散乱している、設備不良で機械が使いにくいなどの場合は、ミスが起こりやすくなってしまいます。機械が古くて作業するのにコツがいる、作業手順が複雑といった場合などもミスが起こりやすくなるので注意が必要です。また、作業の際に似たような色や形のボタンが並んでいるなど、設備の形状がポカミスを誘発する場合もあります。
マニュアルやルールの不備、指導や引き継ぎ漏れもポカミスが生じる原因となります。マニュアルやルールが古いまま放置されていると、手順が不足していたり、または間違っていることもあります。口頭での伝達や引き継ぎは、伝達漏れや引き継ぎ漏れにつながることもあります。
「聞いてなかった」「マニュアルに書かれていなかった」という事前に知っていれば防げたようなポカミスを起こしやすくなります。また、経験が短い場合は不慣れなことからミスを起こしてしまうこともあります。
ポカミス防止のための対策は必要です。こちらでは、企業ができるポカミスの対策方法をご紹介します。
ヒューマンエラーが 起きた場合、マニュアルやルールの中にわかりにくい点や誤解を生む要因になっている点がないか見直し、同じミスが生じないように更新していくことが大切です。同時に起きた事象や原因を他の従業員へ即時共有することで注意喚起を促す仕組み、新しい従業員が増えた際に過去のヒューマンエラーを遡って検索できる仕組みを整えておくことで、更なるヒューマンエラーの抑制につながります。
もし、作業者自身の不注意から生じたミスの場合、健康面の原因も考えてみましょう。
体調が優れないと、集中力が低下しミスが生じてしまう原因となります。しっかり休養がとれるように交代できる体制を整えておくことが大切です。
また、指差呼称も有効です。
指差呼称とは、KY(危険予知)活動の一環として、対象物を指差し、その名称と状態を声に出して確認することです。厚生労働省が運営する「職場のあんぜんサイト」によると、指差呼称を行った場合とそうでない場合は、操作ボタンの押し間違いの発生率に約6倍の差があることが分かりました。指差呼称だけで、ポカミスを完全に無くすことはできませんが、意識レベルや確認の精度を上げるには効果的です。
作業環境が悪い場合は、ポカミスが発生しやすくなります。整理整頓されておらず物を探すのに時間がかかる、たびたび設備が故障し作業が止まるなどは、効率が悪いばかりではなく、作業員の負担も増えてしまうので生産性を下げてしまいます。しかし、このような問題点を速やかに報告できる環境が整っていないと、なかなか改善は見込めません。誰もが気づいたときに簡単な方法で速やかに記録、報告できる環境を整えることも大切です。
作業環境の見直しに役立つアプリはこちらをご覧ください。
不備が生じる原因として、手順やルールが記載されたマニュアルが複数存在している場合があります。複数存在する場合は一つにまとめ、最新化しましょう。また、できる限り口頭のみの伝承は避け、マニュアルに記載をした上で口頭でも補足説明をする状態をつくりましょう。後回しにしてしまうと、うっかりマニュアルを更新し忘れたり、上司に報告し忘れてしまうこともあります。現場主導ですぐにマニュアルを改善できる環境、改善していく意識を高めていくことが大切です。
ポカミスを防ぐために必要な進め方について説明します。
ポカミスを防ぐためには、何より原因を突き止めることが大切です。ヒューマンエラーなのか、作業環境や設備不良によるものなのか、またはマニュアル/ルールの不備や指導漏れによるものなのかで対策方法は変わってきます。
例えば、特定の作業員によるボタンの押し間違いが多い場合はその人自体の問題の場合もありますが、複数人押し間違えている場合などは、ボタンの色や形状が原因となることがあります。原因を解明し、問題に合った対策を練ることが大切です。
作業手順やマニュアルが存在していても、作業者に浸透していなければ、自分がやりやすい方法や簡単な方法で作業してしまうことがあります。また、作業手順やマニュアルでは伝えづらいこともあり、手順や方法が明確に定められていないこともあります。非効率なだけではなく、人によってやり方や手順が違うとミスが発生しやすくなるので、まずは作業手順を明確化し、マニュアルの統一化を図ることが大切です。共通認識があれば、周りのポカミスにも気づきやすくなります。
チェックリストを活用することは、ポカミス対策になるだけではなく、作業内容の整理や明確化にも役立ちます。例えば、製造業などにおいては4S(整理・整頓・清潔・清掃)を徹底することによって、業務がスムーズかつ効率的になるばかりではなく、職場の安全や作業者の健康が守られます。各作業員が4Sのチェックリストを活用し共有することで、今何をすべきかが明確化され、ポカミスを防ぎながら効率的に作業ができ、安全や健康が守られます。
ポカミスが発生した場合は、なぜそのようなことが起こったのか、どのようにすれば改善できるのかを周知徹底することが大切です。それぞれが認識することで、自分のポカミスを防ぐことができます。また、作業方法や手順が変わった場合も、素早い情報の周知・徹底が必要になります。「後でいいや」「明日でいいや」と後回しにしていては、同じようなミスが発生してしまいます。事務所に帰って報告しようと思っても、時間が経過すると記憶が曖昧になり正確な記載が難しくなったり、報告自体を忘れてしまう可能性もあるので、何か起こった場合はその場で報告し、周知できる環境を整えておくことが大切です。
モバイルアプリなら手元のスマホからその場で報告でき、リアルタイムに情報を共有できます。便利なツールを活用し、速やかに周知・徹底できる仕組みを整えましょう。
ヒヤリハット報告書のアプリ活用に関する事例や詳細はこちらをご覧ください。
システムを導入することによって、ミスを防ぐことに成功した3つの事例をご紹介します。
ここでは、モバイルアプリ作成ツール「Platio(プラティオ) 」で業務アプリを作成・運用し業務効率化を実現した方法をご紹介します。
設備・土木関連の事業を広く展開している東備建設株式会社では、毎日の重機の点検が義務付けられており、各重機に置いてある用紙に記載していました。月1回の点検用紙回収日以外は点検状況が把握できず、記入ミスや紛失リスクがあるなどの課題がありました。
そこで、Platioで「重機点検アプリ」を数日で作成し点検報告と管理業務を効率化しました。アプリ導入により、現場担当者の業務は点検アプリでの報告のみに簡素化され、シンプルな画面で報告の手間を最小限に抑え、点検負荷を軽減することに成功しました。
また、点検報告がリアルタイムになり、未報告者には電話で記入漏れを催促できるようになりました。点検用紙の回収などの作業も軽減されるなどの効果も生まれました。
導入事例の詳細はこちらからご確認ください。
送迎バスの運行管理業務を請け負う株式会社エキスパートでは、「業務日報」「車両点検」「健康管理」などを紙で管理していました。従業員は直行直帰型のため、紙の報告書を郵送しなければならず、送付の手間や時間がかかるなどの課題がありました。
そこで、タイムリーにその日の業務を報告できる「業務日報」、運送の安全を確保するために重要な「車両点検」と「健康管理」のPlatioアプリを1日で作成し運用を開始。「車両点検アプリ」「健康管理アプリ」の活用によって、より運送の安全を確保することができるようになりました。
また、ペーパーレス化により用紙の印刷代や郵送費などの削減にも成功しました。
導入事例の詳細はこちらからご確認ください。
ネットワークサービスの提供をはじめ、電気通信設備の構築や管理、保守を行う株式会社NTT東日本茨城支店では、ベテラン社員による若手社員へのノウハウ継承が急務になっていました。
そこで、Platioで工事立ち会い時の工事内容や作業のノウハウを記録するアプリを2日で作成し、年間1000時間の業務を削減しつつ、効率的に業務ノウハウの蓄積と共有を実現し、若手育成につなげています。
また、帰社してからの報告では記憶が曖昧になったり、忘れたりすることもありましたが、現場でアプリから情報を入力できるようになり、写真も駆使した質の高い情報を確実に蓄積できるようになりました。
導入事例の詳細はこちらからご確認ください。
その他の活用シーンや事例はこちらをご覧ください。
今回はポカミスが発生する原因や対策についてご紹介しました。
ポカミスは主に、以下のような原因があります。
これらの原因を改善するために、以下のような対策をするのがおすすめです。
自社の状況に合わせ、チェックリストを活用したり、周知・徹底の仕組みを整えることで、ポカミスの防止につながります。また、報告業務をもっと手軽に行うためには、作業現場ですぐに登録ができるスマホで使える業務アプリの活用がおすすめです。ポカミス予防だけでなく、報告内容の取りまとめの軽減やペーパーレス化にもつながるため業務効率化の促進にもつながります。
Platioは、初期費用0円、月額2万円からプログラミング不要で誰でも簡単に現場の業務に合わせたアプリを短時間で作成・運用することが可能です。作成したアプリはオフラインでも利用できるため、どんな現場でも利用できます。
アナログ業務をモバイルアプリで効率化した事例やPlatioによる業務改善の事例については、下記ページをご覧ください。