
棚卸管理は、日々の適切な在庫管理や、収益と資産の把握に欠かせない重要な業務です。しかし、デジタル化やDXが叫ばれている中で、紙の棚卸リストを使って棚卸管理を続けていては効率が悪く、面倒だと感じている方も多いのではないでしょうか。近年では、煩雑な作業の多い棚卸管理に業務アプリを活用し、効率化をしている企業が増えています。そこで本記事では、アナログな棚卸管理でよくある課題と、業務アプリを活用した解決策について、導入事例も交えてご紹介します。
人手不足が深刻な物流業では、現場業務のデジタル化と業務効率化が急務ですが、未だに紙を用いたアナログな業務が多く、遅れている状況です。本講演では、現場のデジタル化を推進する解決策として「ノーコード」の重要性と自社の現場業務に特化したモバイルアプリ活用のメリットについて事例とともにご紹介します。
棚卸の目的は、企業や店舗の損益計算や資産の把握を行うことです。現物の在庫状況と帳簿上の在庫データを照合して正確な利益額や棚卸資産額を算出します。また、実際に現物を見て在庫を改めて確認することで、破損や劣化した在庫がないかチェックすることもできるため、不良在庫の発見にもつながります。
紙を使用した棚卸の大まかな流れは以下の通りです。
棚卸管理を紙ベースのアナログな方法で行っている企業も少なくありません。しかし、アナログな棚卸管理では「作業負担とコストの増加」や「在庫数の差異の発生」といった課題がしばしば発生します。
棚卸の頻度が高い場合、現物を一つずつ品質チェックしながらカウントし、在庫管理表と目視で照合する作業は負担がかかります。また、紙の棚卸リストの受け渡しのために事務所と倉庫を往復することも、たとえ一回あたりの移動時間は短くても、移動する回数が毎日積み重なることで大きな負担になります。棚卸の頻度が高い場合は、こう言った非効率な業務を無くしていくことが、作業負担の軽減につながります。
アナログ業務のデメリットやリスクについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
システム上の在庫と実在庫の差異が発生する要因としてはさまざまなものがあります。具体的には、主に棚卸リストを作成する際の記載漏れや記入ミス、棚卸作業時の数え間違い、見落としがあげられます。在庫に差異が発生した場合は、再度棚卸を行わなければならなかったり、ミスが発生した原因を突き止めたりしなければなりません。これにより余計な時間や工数が発生し、生産性が低下します。
アナログ業務のデメリットやリスクについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
総務省が令和4年に発表した資料※では、アンケートに回答した企業の44.8%が、デジタル化を進めるうえでの課題としてデジタル技術の知識・リテラシー不足を挙げています。
※出典:総務省「情報通信白書令和4年版」
紙の棚卸管理において効率化や業務改善のためにデジタル化を進めたいと考えても、デジタル技術における知識やリテラシーが不足していることから、紙の棚卸管理を脱却できない企業が多いことが想定されます。
次の章では、デジタル技術における知識やリテラシーが不足していても取り組みやすい課題の解決方法をご紹介します。
棚卸に少し工夫を加えるだけで、精度を向上させ、作業時間を短縮することが可能です。以下に効率化につながる4つの方法をご紹介します。
棚卸作業では、一度数え終えた物品かどうかをチェックする作業が発生するため、在庫が多いと確認に時間がかかります。この無駄な作業を減らすために、カウントが済んだ物品には「付箋」や「シール」などの目印をつける方法が有効です。
例えば、数え終わった箱や商品に色付きの付箋を貼ることで、未確認の物品と区別しやすくなります。2回目の確認作業では、付箋がない物品だけをチェックすればよいため、効率が大幅に向上します。
また、チームで分担して作業する場合も、どの物品がすでにカウント済みなのかが一目で分かるため、重複確認を回避できるでしょう。
在庫管理をスムーズに行うためには、物品をすばやく特定できる仕組みが必要です。棚卸リストに品番や品名などのテキスト情報しか記載されていない場合は、管理ラベルを一つひとつ確認しながら探す手間がかかります。棚卸リストや管理表に画像を追加することで、効率的に物品を見つけやすくなり、作業時間を大幅に短縮できます。特に、類似した品目が多い場合や、型番が分かりにくい商品において効果的です。
棚卸業務の効率化を考える際に、「デジタル化も検討したが、コストがかかる」「新しいシステムを導入するのは難しそう」と感じる企業も多いのではないでしょうか。
従来の在庫管理システムは、高額な機器やソフトウェアの導入が必要だったり、自社に合わせたカスタマイズが求められたりするため、アナログ管理からの移行が難しいケースが少なくありません。
そういった課題を解決し、手軽に導入できるのが棚卸アプリです。ゼロからシステムを開発するよりも低コストで導入でき、スマホやタブレットがあればすぐに運用を開始できます。
さらに、棚卸アプリはシンプルで直感的な操作性を重視しているものが多く、使い方を短期間で習得しやすい点もメリットです。
大掛かりな機器の購入や専門的なIT知識は不要なため、初めてデジタル化を検討する企業にとっても取り入れやすいツールといえるでしょう。
また、棚卸業務を効率化させるツールとして、ハンディターミナルも選択肢として考えられます。しかし、導入コストや持ち運びのしやすさ、操作性などを比較すると、スマホで使用できる棚卸アプリを導入した方がより大きなメリットを得ることができるでしょう。
スマホアプリとハンディターミナルの比較については、以下の記事で詳しく解説しています。
棚卸の間隔が空いてしまうほど、システム上の在庫と実在庫の差異が発生した原因を特定するのが難しくなります。特に誤出荷や紛失が発生した場合は、発覚までの期間が長くなると対応が遅れ、自社だけでなく取引先の損失につながることもあります。
そのため、棚卸の頻度を増やすことで、在庫の差異を早期に発見することが重要です。ただし、大規模な倉庫や工場では、すべての在庫をカウントするために多くの手間や時間を費やしてしまうため、短い間隔で棚卸を行うことは現実的ではありません。
その場合は、重要度の高い在庫やズレが発生しやすい品目をピックアップし、スポット的に棚卸を行うのも効果的です。
アナログな棚卸管理をデジタル化するうえでおすすめの方法は、日頃使い慣れているスマホやタブレットで利用できる棚卸アプリの導入です。
棚卸アプリには主に以下のような機能があります。
棚卸アプリの導入には以下のメリットがあります。
紙で棚卸を行っている企業は棚卸アプリを導入することで、前述した棚卸管理にかかる課題を解決することができます。次の章では、紙のチェックリストで管理を行っていた棚卸を、アプリの導入によって効率化した事例をご紹介します。
バーコード・QRコードを活用した在庫管理の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
在庫管理アプリについての詳細はこちらの記事で解説しています。
今回は、モバイルアプリ作成ツール「Platio(プラティオ)」を活用して、自社の棚卸アプリを作成し、業務効率化を実現した事例をご紹介します。Platioは100種類以上の豊富なテンプレートが用意されており、自社の業務に合ったアプリを簡単に作成できます。プログラミングが不要なノーコードツールのため、プログラミングの知識がない現場の従業員でも、簡単に短時間で棚卸アプリの作成が可能です。また、作成したアプリはオフラインにも対応しているので、倉庫内でもインターネット環境の有無に左右されず棚卸を行うことができます。
素材、部品から機器、サービスまで幅広い事業をグローバルに展開するエレクトロニクスメーカーの京セラ株式会社様の物流倉庫では、紙の棚卸リストを使って毎日在庫の棚卸を行っていました。しかし、棚卸リストの受け渡しのために巨大な倉庫内の移動が頻繁に必要で負担がかかっていました。また、在庫照合の目視チェックにも時間がかかり、ミスも発生するなどの課題を抱えていました。
ある日、当時の新人社員から「棚卸アプリを作成できないか」という提案がきっかけとなり、Platioを導入しました。ITに不慣れな現場でも簡単にアプリを作成・運用できて、すぐに業務改善に取り組めることが選定ポイントの一つです。導入後は、棚卸アプリを1日かからずに作成し、運用を開始しました。アプリに入出荷のあった棚卸リストが表示されるようになったことで紙の棚卸リストを受け渡しする時間がなくなり、現場ではアプリからリストに従って棚卸結果を入力するだけで報告が完了するようになりました。

京セラ様の事例の詳細についてはこちらからご覧いただけます。
また、棚卸アプリのテンプレートはこちらからご覧いただけます。
青森県弘前市に本店を置くつがる弘前農業協同組合様は、りんごを主体に年間約4〜5万トンの農作物の受け入れ保管、選別、包装、販売、出荷を行っています。計7拠点の貯蔵庫を管理しており在庫報告を紙で行っていましたが、手書きの手間や用紙の保管、在庫数の把握に時間がかかるなど、管理面に課題を抱えていました。
そこでPlatioで「りんご在庫管理アプリ」を作成し、スピーディーに一連の業務をデジタル化。年間5,000枚以上の紙を削減しただけでなく報告作業を効率化し、販売在庫数をリアルタイムで把握することで市場への情報提供を迅速化。取引先への情報提供を2時間早く完了、販売効率にも貢献しています。

つがる弘前農業協同組合様の事例の詳細についてはこちらからご覧いただけます。
また、棚卸アプリのテンプレートはこちらからご覧いただけます。
棚卸管理は、企業の決算にも影響する重要な業務です。アナログな棚卸管理では、ミスも起こりやすく時間もかかるため、現場の大きな負担となっています。棚卸アプリの導入により、アナログな棚卸で生じていた課題を解決し、棚卸業務全般を効率化することが可能です。
モバイルアプリ作成ツール「Platio」は、アプリの作成から実際の使用まで無料でお試しいただけますので、まずは無料トライアルから体験してみてはいかがでしょうか。
棚卸の関連業務として入出荷や在庫管理、稼働状況報告などが多く発生する倉庫・工場での事例については下記の資料をご覧ください。
また下記の資料では、誰でも明日からすぐに始めることができる「モバイル×業務アプリ」の取り組み方法について、事例を交えながら具体的な手法を動画でご紹介しています。
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