ハンディターミナルは在庫管理や入出庫作業において長年活躍してきた端末ですが、これまで主流だったOSのサポートが終了し、新たなOSへの移行を検討する必要性が高まっています。
しかし、OSの移行に伴うシステム開発や端末の買い替えには多大なコストがかかるため、どのように移行するべきか課題を抱えているご担当者様も多いのではないでしょうか。その中で、ハンディターミナルの移行先として、導入コストや操作性の面で優れたスマホアプリへの切り替えが注目されています。
本記事では、ハンディターミナルからスマホアプリに切り替える具体的なメリットと、在庫管理や入出庫管理スマホアプリを導入した事例をご紹介します。

2021年に、これまでハンディターミナルの主要OSとして広く利用されていた「Windows CE」や「Windows Embedded Compact 7」のサポートが終了しました。これに伴い、サポートが終了したOSの使用を続けることによるセキュリティリスクの増大が深刻な問題となり、「Windows CE」や「Windows Embedded Compact 7」を使用している企業は新しいOSへの移行を迫られています。
移行先の選択肢としては、以下の2つが考えられます。
このうち、特に注目されているのが「ハンディターミナル機能を搭載したスマホアプリ」です。
スマホアプリであれば、新たに専用デバイスを購入する必要がなく、既に企業や個人が所有しているスマホにアプリをダウンロードし、インストールすることで利用できます。また、ハンディターミナルと比較し操作性が良く、拡張性、携帯性が高いため、在庫管理や入出庫管理といった特定の業務だけでなく、現場に関わる多くの業務を効率化することが可能です。
ハンディターミナルからスマホアプリに切り替えることで、以下のようなメリットがあります。
具体的に見ていきましょう。
新たなOSに対応したハンディターミナルを新規で購入する場合、周辺システムの再構築が必要になる可能性があります。これには専門的な知識が求められるため、自社の要件に合わせて外注する場合は開発費用が高額になることもあるでしょう。
その点、スマホアプリであれば既に所有しているスマホで利用することができるため、新たに専用端末を購入する必要がありません。業務用のスマホを所有していない場合でも、高額なハンディターミナルと比較し安価で購入することができます。
また、スマホアプリの開発に関しても、専門的な知識やスキルを必要としない「ノーコード」と呼ばれる開発方法であれば、自社で簡単に内製できるため、外注するよりも開発費用を抑えられます。
ハンディターミナルは、落下による衝撃や水濡れが起こりやすい現場でも耐えられるよう頑丈に作られており、その分、重量があります。長時間持ち続けていると手や腕に負担がかかるため、広い倉庫や建物内を移動しながら使用する際は大きな負担になるでしょう。
一方、スマートフォンは大半の機種がハンディターミナルと比べて軽量で、作業服のポケットに入れていても気にならないサイズ感です。
必要なときにすぐ取り出して使用できるため、持ち運びが非常に便利です。
一般的なハンディターミナルには数字や読み取り用のボタンが付いていますが、小さなボタンは扱いづらく誤操作の原因になりかねません。
また、ボタン付きのハンディターミナルは画面サイズが限定されやすいため、文字が小さく視認性が低い傾向にあります。文字サイズを変更できる機能が搭載されている端末もありますが、文字を大きくすると画面に表示される情報量が少なくなってしまいます。
その結果、画面の切り替えやスクロールなど、ボタンを押す回数が増えて操作が複雑になります。
それに比べ、スマホアプリは直感的でシンプルな操作性が特長です。多くの人が使い慣れているデバイスであるため操作方法を理解しやすく、スマホアプリに移行しても抵抗感がなくすぐに現場の業務に馴染むことができるでしょう。また、画面が大きいスマホで利用できるため、文字や画像が見やすいこともメリットになります。
ハンディターミナルの代わりとして利用できるアプリの他にも、スマホは1台でさまざまな業務に対応したアプリを利用することが可能です。例えば、「通話やチャット機能を使って店舗と連絡を取る」「データを本部に共有して迅速な意思決定を支援する」「写真や動画を活用した情報共有」などの活用方法が考えられます。
アプリによっては、導入してから機能の追加や修正することも簡単にできるため、拡張性が高く長期的な利用にも適しているといえるでしょう。
ハンディターミナルの代わりにスマホアプリを導入したいとお考えなら、モバイルアプリ作成ツール「Platio(プラティオ)」がおすすめです。
Platioでは在庫管理に特化したテンプレートが用意されており、プログラミングの知識がなくてもアプリを作成できます。1契約で複数のアプリを作成できるため、今まで紙や手作業で行っていたアナログ業務をデジタル化することにより、作業の効率化や記入ミスの削減を同時に実現可能です。
以下に、Platioの具体的な特長や導入事例をご紹介します。
Platioは、誰でも簡単にノーコードで業務アプリを作成できるツールです。100種類以上のテンプレートをベースに、短期間で自社専用のアプリを完成させることができます。
例えば「入出庫管理」は入出庫数や在庫数の管理に特化したテンプレートです。現場の従業員がアプリに入出庫情報を入力するだけで、自動的に残数量が計算され在庫状況をリアルタイムで把握することができます。これにより、紙の記録や手作業での集計といった手間を省き、在庫管理業務を大幅に効率化することができます。
また、「メモ」や「担当者名」「写真」などの項目もドラッグ&ドロップの簡単なマウス操作で設定できるため、現場のニーズに合わせたカスタマイズを素早く行うことが可能です。
さらに、QRコードやバーコードを利用したデータ入力や、モバイルプリンタとの連携、オフライン対応といった便利な機能も充実しています。
紙で行っていた在庫管理をアプリ化することで、業務のスピードが格段に上がり、ミスの削減にもつながるなど、さまざまな成果が期待できます。
ここからは、実際にPlatioを導入して在庫管理の効率化に成功した事例をご紹介します。
京セラ株式会社様は、素材や部品、機器、サービスなど多岐にわたる事業を展開しており、倉庫では40万点もの在庫を管理しています。以前は紙のリストを使って、毎日在庫の棚卸を行っていましたが、巨大な倉庫内では、事務所と現場の移動が多いことや、目視のリストチェックに非常に多くの時間と労力がかかっていました。
この課題を解決するため、Platioを活用して棚卸アプリを1日かからず作成しました。
在庫リストをアプリ化し、スマホに入力するだけで在庫数を簡単に共有できるため、紙へ書き込む作業工程が不要になりました。また、棚卸報告のデータ化により在庫照合を自動化されるため人的ミスも減り、正確性の向上も同時に実現しました。

事例の詳細は、こちら
つがる弘前農業協同組合様は、りんごを中心に年間約4〜5万トンの農産物を取り扱い、受け入れ保管から選別、包装、販売、出荷までを行っています。7つの拠点にある貯蔵庫の在庫管理は紙ベースで運用しており、各拠点から手書きのメモで事務所に報告し、さらにそれをFAXで送信していました。
事務所には毎日最低でも20枚のFAXが届き、Excelに手入力して集計するため非常に手間がかかっていました。
そこで、Platioで「りんご在庫管理アプリ」を作成し、各拠点からアプリ上で販売在庫数を報告できるようになりました。
この結果、Excelへの入力や集計作業が不要となり、年間にして約500時間もの作業時間を削減。年間5,000枚以上の紙を削減できたため保管スペースも不要になり、業務効率化とコスト削減を実現しました。
また、取引先である市場に対し、正確な販売在庫数を3時間も早く提供可能になりました。

事例の詳細は、こちら
株式会社クラシック様は輸入切花を扱う企業で、成田空港近くに約3,000㎡の冷蔵倉庫を保有しています。 商品を適切な温度で管理するため、倉庫内の格納状況や占有率などの情報をチャットで共有していました。しかし、時間が経つと情報が埋もれるため、必要な情報を探すのに時間がかかることが課題でした。
そこで、Platioを活用して「冷蔵倉庫状況確認アプリ」を1日(1.5時間)で作成しました。アプリには、撮影した動画や写真を添付できる機能を追加し、現場の状況を視覚的に伝えられるような仕様にしました。また、高い稼働率を登録した際だけプッシュ通知が送られるようにし、情報の優先度に高低を付けアラートを見落とさないように工夫しました。
さらに、オフライン環境でもデータの入力や保存が可能なため、インターネット接続が不安定な倉庫内でもその場で情報を記録できるようになりました。
Platioの導入によって冷蔵倉庫の管理業務が効率化され、現場での作業負担も大幅に軽減することに成功しました。

事例の詳細は、こちら
本記事でご紹介した企業様の事例を含め、在庫管理にPlatioを活用した導入事例は以下からご覧いただくことができます。
これまでハンディターミナルのOSとして主流であった「Windows CE」と「Windows Embedded Compact 7」のサポートが終了したため、スマホアプリへの移行が注目されています。スマホアプリは導入コストを抑えられるうえに、操作性が高く機能の拡張も容易なため、ハンディターミナルの移行先として在庫管理や入出庫業務において多くのメリットをもたらします。
Platioは初期費用0円、月額2万円からと低コストで利用できるため、スモールスタートでスマホアプリの導入が可能です。
モバイルアプリを作成し、実際に業務利用してみるまでの体験版も用意しているため、ハンディターミナルの移行を検討されているご担当者様は、試してみてはいかがでしょうか。
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