
自社の業務効率化や生産性向上のため、アナログ業務のデジタル化を進める企業が増えています。しかし、「経営層はデジタル化を推進したくても現場の理解が得られない」「デジタル化による業務フローの変更への抵抗」といったさまざまな理由で、現場業務のデジタル化が進んでいない企業は多いのではないでしょうか。本記事では、まだまだ現場に存在するアナログ業務について、どのようなデメリットやリスクがあるのか、デジタル化のポイントや現場業務のデジタル化に成功した事例をご紹介します。
また、以下の資料では現場主導でできる業務プロセスと着手方法についてご紹介しています。
アナログ業務を続けることで、例えば以下のようなデメリット・リスクが考えられます。
紙を中心とした情報共有を行っている場合、情報のタイムラグが発生しやすく、業務を効率化する上で重要な円滑な情報共有が難しい点がデメリットです。
また、決済や申請の承認など、上司が出張などで会社にいない場合は申請書類を確認できないため業務が滞ります。
その他、電話を含めた口頭での情報共有は、正しく情報共有できない可能性がある点もリスクです。
紙の書類は改ざんや不正に気づきにくいです。例えば、文字を書き加えることや消すこともできますし、承認印を他の人が勝手に押してしまうこともできます。
特に承認印については、業務のスピードアップのために上長が確認しないまま部下が押してしまうケースもあり、この場合は規定違反となり、把握していない契約や承認が生じる可能性があります。
アナログ業務では書類の準備や管理、手書きの書類からデータを登録する転記作業といったバックオフィス業務の負担が大きく、人的リソースが無駄になっている可能性があります。さらに、転記ミスや、情報共有のタイムラグにより、印刷した書類の情報が古く、差し戻されるリスクもあります。
その他、紙や印刷コストも発生します。
アナログ業務では業務フローが定まっていないことも多く、業務内容が不明瞭で、外部からはどのような業務をしているのか分かりにくいことがあります。このような業務のブラックボックス化が進むと、実際に業務を行っている人しか業務内容がわからない属人化が生じます。
業務の属人化は、業務に関するスキルやノウハウが引き継がれにくいため、担当者がいないと業務が進まなかったり、他の人が行うと業務の品質が著しく下がるのがデメリットです。
アナログ業務をデジタル化することで、前述したデメリットやリスクをどのように改善できるのかご紹介します。
アナログ業務をデジタル化することで、業務を効率的に行えるようになります。書類の作成を例にとると、手書きで作成していたのであれば誤字や脱字などによるミスがなくなります。さらに、社内で統一した書類のフォーマットを用意することで、記載漏れのない書類を作ることが可能です。
また、管理者も登録項目が整理され確認業務がスムーズに行えるようになります。
誰でも同じプロセスで業務を進められるようにすることを、業務プロセスの標準化といいます。標準化する際には、アナログ業務の課題や問題を基に業務フローを見直すため、効率的に業務が進められるようになります。
デジタル化すると情報はデータとして管理され、共有も簡単にできます。紙での情報共有と違って紛失や破損のリスクも少なく、管理者や閲覧権限の設定も可能です。
社内の情報が共有されており、前述のように業務プロセスも標準化されるため、担当者しかわからない業務が減ります。誰でも同じ品質で業務を進められ、属人化が解消できます。
業務効率化によって業務の工数が減るため、1つの業務に対する人や時間のリソースが最適化され、業務にかかるコスト削減効果が見込めます。業務効率化によってできた空き時間を他の作業に充てることができる点もメリットです。
また、デジタル化により紙の書類の保管スペースが大幅に減ることもコスト削減に影響します。
デジタル化することでアナログ業務よりも迅速に情報共有ができるようになると、従業員が最新の情報を基にさまざまな業務を進められるようになります。
業務がスピーディーに進められるようになるだけでなく、トラブルの早期対応も可能です。
アナログ業務に課題があり、デジタル化することで解決できる可能性があることは多くの企業が理解しています。しかし、デジタル化が進まない理由としては以下のようなことがあります。
これらを踏まえ、以下のようなポイントを押さえてアナログ業務のデジタル化を検討すると良いでしょう。
業務のデジタル化を進める際はトップダウンで行い、システムの切り替え等を進めることが多いです。しかし、アナログで行っていた業務をデジタル化すると、大きな影響を受けるのは現場の従業員です。現場の従業員が使いやすい仕組みづくりをすることが大切です。
どのようなシステムを使い、どのように業務フローを改善するのかは現場の意見を聞き入れることが重要です。特に使用するシステムと現場の相性は利用状況によって使い勝手に差が出ます。例えば、立ち仕事が多い現場では、パソコンで管理するシステムより、スマートフォンから使えるシステムの方が便利で、リアルタイムに情報共有をしやすいです。
また、アナログ業務をデジタル化する際は、研修やトレーニングを行い従業員がシステム導入を不安に感じないようにしましょう。さらに、導入後も質問しやすい体制を整えておくことが大切です。
新しいシステムを現場で使ってみると、改善ポイントが見つかるという例はよくあります。デジタル業務への変化に合わせて業務フローが変更になることもあるので、その都度、改善できる仕組みを整えておきましょう。
現場で紙の運用を中心とした業務を行っている場合は、スマートフォンで利用できる業務用モバイルアプリを活用することで、アナログ業務のデメリットを解消しつつ、現場の従業員に馴染みやすい方法でデジタル化を進めることができます。
アナログ業務のデジタル化に業務用モバイルアプリを活用することには以下のようなメリットがあります。
アナログ業務をデジタル化する際には、慣れない環境への変化で現場の従業員に多くの負担がかかります。モバイルアプリであれば、普段から触れる機会が多いスマートフォンで操作することができるため、デジタル化の最初の一歩として適しています。
ここからは、モバイルアプリを導入してアナログ業務のデジタル化を実現した成功事例をご紹介します。
さまざまな機器を「うごかす、とめる」技術を中核にビジネスを展開しているナブテスコ株式会社様では、全社あげてDXを推進しています。特に、現場のITリテラシー向上と業務のデジタル化、および効率化に向けた現場のDXに取り組んでおり、その中でも紙の作業日報や出荷前画像の管理といった非効率な業務に着目しました。
そこで、作業日報アプリと出荷管理アプリを作成して同社の基幹システムや社内サーバーとデータ連携することにより、年間200時間以上の業務削減と2,400枚のペーパーレス化に成功しています。また、情報の正確性が向上しただけでなく、適切な作業見積や人員配置も実現しています。
現場でのモバイルアプリ導入成果を足がかりに、他部門でもアプリ活用による業務改善が行われており、全社DXの推進に貢献しています。

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会員制リゾート事業を展開する株式会社リロバケーションズ様は、ホテルや旅館の運営にあたって毎日150項目以上の点検業務を行っています。各拠点の現場では点検の結果を紙で管理しているため、手書きで記入する手間や、月末にPDF化して管理部へ提出する手間がかかっていました。また、点検結果から故障や異常の予兆がないか確認を行う管理部においても、目視での二重チェックや手書き文字を判別するための負担が増加していました。
そこで、紙ベースで管理していた点検業務のデジタル化を図るため、「施設点検アプリ」を作成し、現場と管理部を合わせて年間1,000時間の工数削減と、67,200枚のペーパーレス化を実現しました。また、現場と管理部が一体となってデジタル化に取り組むことで、業務改善文化の醸成にも貢献しています。

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株式会社裕生様は、オフィスビルや商業施設の施設管理、清掃管理、保安警備事業を展開しています。同社ではアナログな業務が多く、社会全体でDXが加速する中で社内のデジタル化が遅れていることに対して危機感がありました。まずは身近な業務からデジタル化して社内のデジタル意識活用を高めたいと考え、健康管理や安否確認アプリを3日という短期間で作成して業務へと導入しています。
使いやすさを意識して作成されたアプリは社員の利用率も高く、報告率98%以上を継続しています。また、導入後すぐに従業員から社有車管理やアルコールチェックなどの「業務改善アプリ」の提案が生まれるようになり、社員のデジタル意識改革に貢献しました。
また、同社はその現場DXに対する取り組みによって、2023年6月に開催された「第一回日本ノーコード大賞」にて優秀賞を受賞されています。

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アナログ業務をデジタル化することで業務効率化を進めることができます。今回は自社の業務に合ったアプリを導入し、効率化した事例をご紹介しました。いずれの事例も、モバイルアプリ作成ツール「Platio(プラティオ)」を活用して、アナログな業務をデジタル化するためのアプリを短時間で作成しています。Platioには、専門知識のない非エンジニアでもノーコードでアプリを作成できるので、実際に業務を行う現場の意見を反映しやすいという特徴があります。既存アプリでは自社の業務に合わないと感じていた企業でも導入しやすく、現場の業務や運用に変化があってもすぐに対応できます。
また、初期費用は無料で月々2万円〜の低価格で導入できるのも魅力です。
アナログ業務をデジタル化すると、業務の標準化やリアルタイムな情報共有などの業務効率化が図れ、リソースの最適化などもできます。デジタル化する場合は現場の意見を取り入れ使いやすい仕組みづくりをし、運用中の変更を行いやすくすることが重要です。
アナログ業務をデジタル化する方法はさまざまありますが、自社の業務に合わせてアプリを作成する方法は、現場の意見を反映しやすいというメリットがあります。
以下の資料では、デジタル化による業務改善のためのツールとしてモバイルアプリを活用する重要性について、より詳細に解説しています。アナログ業務のデジタル化にお悩みの方は、あわせてご一読ください。
現場にはいまだに「紙」や「Excel」が業務ツールの中心として残っており、その環境を打開していくことが急務となっています。本資料では、現場に必要な環境づくりの勘所について触れながら、デジタル化によって現場業務の改善を図っていくための強力なツールとしてのモバイルアプリの重要性についてご紹介します。
また、DX推進にお困りの方や具体的にどのように進めたら良いのかはこちらのページをご確認ください。