
日報は、業務の進捗状況を上司に報告したり、チーム内で情報を共有するために必要不可欠です。特に工場や製造現場で作成される工場日報は、アクシデントが発生した際に原因の把握や分析のためにも活用されてきました。しかし、日報の作成は重要な反面、紙を使った手書き日報での運用は、振り返りなどが面倒という側面もあります。そこで当記事では、日報を電子化することで得られるメリットについてご紹介します。
毎日の報告業務を紙の日報で運用している場合、次のような課題も残されています。
以下で詳しく解説します。
手書き日報は、リアルタイムな情報共有ができない点がデメリットと言えます。日報が完成しても、現場責任者や上司が目を通すまでに時間がかかります。情報の共有が遅れれば、それだけ問題解決のための対策に時間がかかってしまいます。その結果、取り返しのつかない状況に陥る可能性もあります。
また、社外で仕事をしている場合、手書きの作業日報を作成するためにわざわざ事務所に戻る必要があります。時間が経ってからの作成では記憶が曖昧になり、正確性が失われたり報告が漏れる恐れがあります。
紙の日報では、必要な情報を探すために時間を必要とします。例えば、アクシデントやトラブルが起きた時場合、「いつ」「どこで」「何が起きたのか」など、状況を正確に把握するために過去の日報を遡ることになります。日報がデータ化されていない場合、欲しい情報を簡単に検索することができないため、関係者に話を聞いたり、時間や労力をかけて欲しい情報を探すことになるため、大変非効率的です。
紙に記載された内容は、集計や統計のために、別途エクセルに入力してデータ化するといった手間がかかります。さらに、担当者や部署ごとの報告事項や内容にバラツキがあり、追加の報告や再報告の指示が出ている場合もあります。これを漏らさずに集計したり管理することは大変です。さらに、日々の報告チェックがマンネリ化することで、ちょっとした変化を見逃してしまう恐れもあります。
紙の運用では、用紙代や印刷費、保管場所の管理費などがかかります。また、保管期限である3年を過ぎた日報を廃棄する際も、人手と労力を必要とします。
紙での運用が一般的だった手書き日報ですが、近年ではその非効率さや情報活用の難しさが課題となり、電子化に注目が集まっています。
ここでは、手書きから電子化へ切り替えた場合に得られるメリットについて解説します。
日報を電子化することでスマートフォンやタブレットから入力できるようになり、現場で日報を作成できます。わざわざ事務所に戻る手間が省け、報告にかかる時間が大幅に短縮されます。
さらに、入力された内容はすぐに共有され、現場責任者はもちろん、離れた拠点にいる管理者もリアルタイムで状況を把握することが可能です。これにより、異常が発生した場合でも、迅速な対応や的確な指示が可能となります。
作業日報が安全衛生委員会議事録の資料に該当する場合、3年間の保存が義務付けられています。※そのため、必要なときにはすぐに提出できる状態で管理しておくことが望ましいです。
しかし、紙で保管していると、膨大な書類の中から目的の記録を探すのに大きな手間と時間がかかってしまいます。
日報を電子化すれば、日付や担当者、キーワードなどで簡単に検索できるため、必要な情報にすぐアクセス可能です。
またクラウド上に保存することで、場所に関係なくデータの確認や共有ができる点も大きなメリットです。
※参照:e-Gov法令検索|労働安全衛生規則第二十三条
日報を電子化することで、これまで手作業で行っていたデータの転記や集計が容易となり、ヒューマンエラーのリスクも大幅に減少します。例えば自動計算機能を活用すれば、作業負担を抑えながら正確な数値管理が可能になります。
さらに、蓄積されたデータはグラフや表に変換することもできるため、より迅速な意思決定にもつながります。
日報を電子化すれば、用紙代や印刷費といった費用を削減することができます。さらに、紙の日報を保管するための棚や書庫も不要となるため、保管にかかるコストも減らすことができます。
特に日報は毎日作成が必要な書類であり、蓄積される量も膨大です。これをペーパーレス化することで、1ヶ月、1年と経過するほどにコストの差は大きくなります。
手書きの日報では、記入者ごとの書き方の違いによって、報告内容に漏れや誤りが発生しやすくなります。フォーマットが統一されていないと、読み手によって解釈が分かれることもあり、情報の正確性にばらつきが出てしまうでしょう。
電子化された日報では、入力項目を選択式にしたり、必須入力項目を設定したりすることが可能です。例えば、定められた内容以外が入力された場合にはエラー表示が出るように設定することで、報告漏れや記載ミスを未然に防ぐことができます。
日報の電子化をする上で、工場や製造現場と相性が良いツールは携帯性・操作性に優れたスマートフォンで利用できる日報アプリです。
日報アプリとは、名前が示す通り日報をクラウド上で作成・運用・管理できるアプリのことです。クラウドで作成から管理まで可能なため、事務所はもちろん作業現場からでも日報が作成できます。スマートフォンなどの端末があれば、ネット環境に左右されることなく報告がその場で完結でき、チーム内で情報の共有も手軽にできる点もメリットと言えます。
例えば、Platio(プラティオ)というモバイルアプリ作成ツールを活用すれば、以下のような日報アプリのテンプレートがはじめから用意されています。このテンプレートを活用すれば、アプリ開発に詳しい人材が社内にいなくとも、日報アプリの導入をスムーズかつ、安価に実現できます。
また、Platioが現場でどのように活用されるのか詳しく知りたいという方にはこちらの資料もおすすめです。
工場や製造現場に日報アプリを導入することで、次のようなメリットがあります。
以下で詳しく解説します。
日報アプリを活用する場合、スマートフォンやタブレットがあれば、その場ですぐに報告作業を完結できるだけでなく、登録した情報はクラウドに保存されるため、関係者にリアルタイムに情報共有することが可能となります。
例えばトラブルが起きた際は、いかに素早く対応できるかが鍵となります。
手書きの日報では、すべての責任者が目を通すまで時間がかかります。その間、対策が後手に回ってしまい、最悪なケースを招くことも少なくありません。
一方、日報アプリを活用すれば、リアルタイムな情報共有が可能になります。また、責任者が素早く正確な情報を把握し状況判断することができれば、被害を最小限に止めることが可能になります。状況の把握がしやすいため、対応策も立てやすくなります。
手書き日報は、部署や現場によってフォーマットが違う場合も少なくありません。記入の仕方が違うことで、記入漏れや見間違いなどヒューマンエラーも起きやすくなります。そこで、フォーマットが統一されている日報アプリを使用することで、記入漏れなどのミスを防ぐことが可能です。さらに、選択形式や数値スライダーといった、多様な入力形式で入力作業を省略化もできます。
また、日報アプリの場合、作業現場で日報報告を完結できるので報告漏れの軽減や、すぐに登録ができるため、時間が経ってから作成するよりも正確な報告書を作成することができます。そのため、報告者と管理者の両方の業務が効率化されます。
日報アプリを取り入れることで、コミュニケーションの活発化が期待できます。例えば文字ばかりの手書き日報では、情報がうまく伝わらないことも少なくありません。コミュニケーション不足が原因で、アクシデントの発端を見逃してしまう恐れがあります。
一方、日報アプリを活用することで、文字に加えて「写真」や「動画」での共有も可能です。より細かい状況を素早く共有することが可能です。さらに「プッシュ通知」機能で、小さな変化にも気づくことができます。
日報アプリを利用することで、日報を書くために紙やペンを用意したり、印刷も必要としません。
また、クラウド上でデータを保管し管理することができるため、保管場所を確保するといった手間も省けます。データ化や情報の取りまとめといった工数の削減、ペーパーレス化や印刷の手間を省くことで、コストの大幅な削減が見込めます。
その他、紙運用の課題であった検索も、日報を作成した日時や作成者といったカテゴリーから検索が可能です。時間や労力を無駄にすることなく、効率的に欲しい情報を素早く探すことができます。
日報アプリで日報を電子化することで、業務のノウハウや知識を手軽に共有できます。端末を持っていれば、距離が離れていてもコミュニケーションを取ることが可能です。わざわざ質問するために移動する必要もありません。知識や情報を素早く共有することで、仕事の効率化や生産性の向上につながります。
日報アプリを導入することで、情報共有がしやすくなるなど多くのメリットが期待できます。しかし、機能が不足している日報アプリを導入しても、望む結果は得られないでしょう。そこで、工場や製造現場で日報アプリを導入する際は、次の点に注意してください。
以下で詳しく解説します。
まず重要となるのが使いやすさです。スマートフォンに不慣れで、ITのことが何もわからない人でも使えるアプリでなければいけません。
いくら多機能だとしても「どこを押せば良いのかわからない」「画面がごちゃごちゃしていて見づらい」など、使い勝手の悪いアプリでは結局ミスを招いてしまいます。
など、誰でも使いやすい日報アプリを導入することをおすすめします。
次に、機能やサービスの充実している日報アプリを選びましょう。「UIは使いやすいものの、欲しい機能がついていない」「写真や動画を添付できない」「手書きの方が詳細を伝えやすい」「オンライン状態でなければ使えない」など、日報を作成するために必要な機能やサービスが不足していては本末転倒です。
など、機能やサービスが充実しているものを選びましょう。
他の機能やサービスと比べて軽視しがちですが、セキュリティ面も重要です。プライベートで使っているスマートフォンと同じ感覚で使えるのは利点です。しかし、メッセージなどの添付先を間違えるなど、使い方を誤ると情報漏洩を引き起こす恐れもあります。
など、セキュリティがしっかりとした日報アプリを選ぶ必要があります。
アプリによっては、毎月の利用料金だけでなく、初期費用やオプション機能、さらにはサポート対応にかかる費用が別途発生するケースもあります。
導入後に「思っていたより費用がかかった」とならないよう、事前に全体的なコストを把握しましょう。特に、業務量や利用人数、必要な機能に合ったプランが用意されているかを確認することが大切です。
ここからは、実際に日報アプリを作成した事例をご紹介します。モバイルアプリ作成ツールPlatio(プラティオ)を使えば、月々2万円台からの低価格で誰でも簡単に自社の業務に合った日報アプリを作成することができます。
「Platio(プラティオ)」は、現場業務に特化したモバイルアプリを簡単に作成できるツールです。100種類以上の豊富なテンプレートの中から、自社の業務に合ったものを選ぶだけで、誰でも簡単にアプリを作成することができます。
日報アプリ用のテンプレートも用意されており、必要な機能がそろった状態からスタートできるため、開発や設計に時間をかける必要がありません。写真・動画の添付、スライダー入力なども対応しており、記録作業の効率もアップします。
また、Platioは月額2万円台からと低価格で利用を開始できるうえ、初期費用も一切かかりません。1つの契約で複数のアプリを作成できるため、製造現場や工場の日報だけでなく、さまざまなアナログ業務をデジタル化することができます。
株式会社おきなわ物産センター様では、製品の製造量を手書きで記入し、その後、エクセルに転記・集計してからデータを印刷して保管していました。そこで、Platioで、「製造日報アプリ」を3日で作成し、自社工場の「おきつる製麺所」で利用を開始しました。
結果、日報を作成するのにかかっていた時間や、ペーパーレス化によりコストの削減に成功。さらに、グラフを使い業務量を「見える化」したことで、生産性の向上にもつながりました。
詳しくはこちらからご覧ください。
ホテルの設計から建設、メンテナンスなどを担っている東横イン電建様では、業務日報、図面・マニュアル閲覧、検査、アンケート、資格管理、人事評価のためのテストなど、紙の業務の手間やコストが課題となっていました。
そこでPlatioを導入し、建設現場で必須な業務日報や図面・マニュアルなどの紙で行っている業務を効率化。業務日報アプリや機能検査アプリなどを現場発のアイデアで作成し、建設現場からオフィスまで、全社で幅広く利用しています。
詳しくはこちらからご覧ください。
株式会社エキスパート様では、従業員は「業務日報」「車両点検」「健康管理」を紙に記載後に、会社に送付して保管していました。しかし、毎月100枚以上の報告書を確認するために多くの時間を必要としていました。そこで、各種報告書を作成するアプリをPlatioで作成しました。
結果、毎月送られてきた報告書を確認する時間を大幅に削減し、ペーパーレス化にも成功しました。他にも印刷費や輸送費などコストカットも実現しました。
詳しくはこちらからご覧ください
ナブテスコ株式会社様は、様々な機器を「うごかす、とめる」技術を中核にビジネスを展開しています。同社では、紙の作業日報や出荷前画像の管理にかかる非効率な業務を改善するため、DX推進部が船舶の製造部門と連携し現場のDXを推進しています。
Platio Connect(プラティオ コネクト)を活用して作業日報アプリや出荷管理アプリを作成。さらに作成したアプリと基幹システムや社内サーバーをデータ連携し、受注番号など報告に必要な項目を自動で入力する仕組みを構築。これにより入力の手間や記入ミスを削減することで、年間2,400枚のペーパーレス化を実現し、年間200時間以上の業務削減にも成功しました。
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その他の導入事例はこちらからご覧ください。
工場や製造現場では、進捗状況の把握に日報の作成は必要不可欠です。しかし、手書きの日報は「検索しにくい」「情報共有のスピードが遅い」「コストがかかる」といった問題があります。
それらの問題を解決する方法として、日報アプリを使った日報の電子化が効果的です。日報アプリを使うことで、次のようなメリットが得られます。
工場日報を電子化することで、ヒューマンエラーの防止や作業の効率化、生産性の向上などが期待できます。工場日報の効率化に日報アプリの導入もおすすめです。
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