Platioでは様々な業種、シチュエーションで活用できるテンプレートが100種類も用意されています。本シリーズではその中から選りすぐってテンプレートの特徴と活用方法、カスタマイズのアイディア、ヒントなどを発信していきます。第10弾は「選挙出口調査」テンプレートを紹介します。
今年の夏も参議院選挙が行われましたが、選挙のたびに驚くのが各メディアでの議席数予測と当選確実を報じる速さです。投票が締め切られ20時になった瞬間に各テレビ局は「与党過半数確保」など選挙の総括ともいえる速報を一斉に流し、まだ開票率が0%なのに当選確実が続々と確定していきます。しかも、その情報が殆ど正しいのが凄いですよね。
なぜ開票が進まないうちから多くの当選者が分かって情勢が判別できるのかという点について、少し調べてみました。
一つは開票中の得票確率の正規分布という統計学的手法による根拠です。全部で1000票の投票があったとして、100票開封した時点である候補者が60票獲得していたら、その候補者が当選する確率が97.5%だそうです。つまり部分的な開票でも結果次第では当確が出せるということです。
そしてもう一つが、出口調査です。投票所の出口で調査員が有権者に対して投票先などを尋ねて調べた集計です。出口調査を行うことによって前述した部分的な開票を補足し、票の動向の見極めをより速く行えます。出口調査は開票が始まる前までに結果を出すことができるので、正規分布の例に従えば極端な話、1万人の有権者がいる選挙区において1000人に調査を行い、ある候補者が600票獲得したら、その候補者に対し開票前に当確を打てることになります。僅差の選挙区はともかく、飛びぬけて強い候補者がいる場合は出口調査の結果次第で瞬時に結果が決まるわけです。
参考サイト:QuizKnock 選挙の当確、出るの早くない?
出口調査においては「なるべく早く正確なデータ収集」が求められます。国政選挙ともなれば、選挙当日の新聞社やテレビ局はまさに戦場のような忙しさになることが予想できます。投票が終わる20時にどれだけ他社より正確かつ迅速に第一報を打てるかが勝負でしょうから、出口調査データの集計と本部デスクへの共有も一刻を争う作業になります。
「選挙出口調査」テンプレートは、スマホやタブレットに入力したデータを即時共有するPlatioの特長を活かし、効率的でスピーディーに出口調査作業を実行できるツールです。
紙の調査ではアンケートをスタッフがいちいち集計し、本部にメールをしないといけないのは時間のロスですし、正確性にも疑問符がつきます。万一スタッフがメールを誤送信したら公職選挙法(※1)に抵触する恐れがあり大変な事故につながります。
昨今では、紙のアンケート以外にタブレットを活用して、アプリで出口調査をしている場合も増えてきていますが、専用アプリの開発には時間とコストがかかりますし、使い勝手やアンケート項目の修正といった仕様の追加や変更にも追加コストがかかります。(※2)
「選挙出口調査」テンプレートを使えば、そんな課題やリスクも一掃されます。有権者にインタビューし、候補者や投票先をスタッフが手元のスマホに入力していき保存すれば、そのデータはすぐに本部のデスクや管理者が参照することが可能です。
また、Platioは基本料金の変更なしに、用途に応じて柔軟にアプリの仕様変更が可能です。選挙に応じて政党名や候補者名を自由に追加したり、投票情報以外に速報で取り上げたいアンケート項目を追加したりと、すぐにアプリを修正して利用できます。
管理者は管理画面(Data Console)からExcelで回答の一覧をエクスポートすることもできますし、投票先の候補者と政党については自動で加算されて表示されていくので手作業での集計すら不要です。調査結果のリアルタイムな把握を可能にし、出口調査のデータのやり取りにかかっていた時間と手間を一気に短縮してくれることでしょう。
Platio利用イメージ:選挙出口調査
※1 選挙期間中、選挙に関する予想や人気投票の公表を禁ずるという規定(公職選挙法 第138条の3)
※2 参考資料:iPhone業務アプリ開発の落とし穴
今回は「選挙出口調査」テンプレートを紹介してまいりました。選挙出口調査のスタッフを募集する求人広告を見ていたら、投票日当日の勤務時間が15時や16時で終わることが殆どでした。ということは、出口調査自体は日中に終わらせてしまい、そこから20時の投票締め切りまではデータの取りまとめと議席の予測に使われる時間なのでしょう。このテンプレートを利用することで出口調査データのリアルタイムの集計や共有が可能になれば、ひょっとしたらもっと遅い時間まで出口調査を実施できるかもしれないと思いました。夜間の時間に投票する有権者の調査結果を反映することで、より精度が高い調査になるかもしれません。出口調査の更なる進化のためにPlatioを利用してみてはいかがでしょうか。