Platioでは様々な業種、シチュエーションで活用できるアプリのテンプレートが100種類も用意されています。本シリーズではその中から選りすぐってテンプレートの特長と活用方法、カスタマイズのアイディア、ヒントなどを発信していきます。第21弾は、「遺失物管理アプリ」のテンプレートを紹介します。
遺失物管理アプリは忘れ物、落とし物といった遺失物情報を記録し、共有するアプリです。ショッピングモールなどで届けられた遺失物を登録し、モール内のサービスセンター、スタッフ間で情報を共有できます。
独立した小さい店舗や施設と違って、複数の店舗が集まった商業施設や大きなビル、総合病院などでは遺失物の管理と問い合わせ対応の運用が面倒です。課題は遺失物を拾得してからその情報が共有されるのに時間がかかる点と、拾得した遺失物に対する照会が面倒で手間である点です。
通常は各店舗ではなく、建物の防災センターやビル管理部門などが遺失物を一括管理しているところがほとんどでしょう。各店舗で拾得した忘れ物を管理部門が回収し、それが管理部門の忘れ物台帳に書き込まれるまでのタイムラグが発生します。また、お客様からの問い合わせは各店舗やサービスセンターなどに来ることも多く、スタッフは管理部門への取り次ぎに手間取り、困っているお客様を待たせたり、たらい回しにさせてしまったりします。
遺失物管理アプリはそのような課題を解決し、遺失物の情報をスマホやタブレットから画像付きで登録、それが即時共有されることによって、管理部門だけでなく、離れた場所のスタッフやサービスセンター間でリアルタイムな最新の情報を確認できるのがポイントです。
Platio利用イメージ:遺失物管理アプリ画面
紙の落とし物台帳だと、その台帳を持っている部門しか中身を参照できないため、サービスセンターや各店舗にお客様からお問い合わせがあったとき遺失物の照会が非常に面倒でした。防災センターに対し「茶色いカバーの手帳で厚さが2㎝くらいで……」などとお客様から又聞きした内容を口頭で説明しても、直接見られないことでどうしても伝わりにくかったりします。
遺失物管理アプリなら、サービスセンターや各店舗のスタッフが落とし物の写真をモバイルのカメラ機能で撮影&登録できるので、拾ったその場で落とし物報告が完了します。報告された情報はクラウドに保存され、関係各所がリアルタイムに一覧で参照できるため、それが今どこにあるのか、管理事務所で保管されているのか警察に引き渡し済みなのか等の最新情報も把握でき、迅速な対応が可能です。
さて、大変便利なこの遺失物管理アプリですが、何回か使っているうちに少し不便な点を発見しました。それは「まだ登録されていない遺失物に対する問い合わせが管理できない」ことです。
どういうことかというと、問い合わせ対応に新規レコードを登録する際、既に「遺失物管理」ミニアプリに登録されたレコード(=拾得されて施設・店舗に届けられた遺失物)に紐付けないと登録できない仕様になっているからです。
実際の業務上では、必ずしも拾得済みの忘れ物や落とし物だけに対して問い合わせがくるとは限りません。未回収の物に対しての問い合わせや、また「どこで無くなったか定かではないが、もしかしたらあなたの店に置き忘れてきたかもしれない」といったタイプの相談を受けることもあります。「こちらには届いておりません」で終わらせるのもありかもしれませんが、そこはサービス業である以上、連絡先と名前くらいは聞いて「もし見つかったら連絡します」くらいは応対すると思います。
なので、できれば「遺失物管理」ミニアプリにレコードが存在しなくても問い合わせ対応を起票できた方がよいでしょうね。
これを聞いて普通のアプリなら「このアプリ使えないな!」と諦めるしかないのですが、しかしPlatioは違います。ない機能は作ってしまえばいいのです。設定を柔軟に変更することで、不便に感じた点、足りないと思った機能は簡単に追加修正することができます。しかもユーザー側で、簡単にできてしまうのがすごいところです。早速やってみましょう。
1.パソコンのブラウザからPlatio Studioにログインします。
2.遺失物管理プレートを選択します。
3.問い合わせ対応ミニアプリを選択します。
4.一番左側の「遺失物管理 受付番号」フィールドの歯車マークをクリックし編集ウィンドウを出します。
5.「必須」と書いてある箇所のチェックを外し、「完了」ボタンを押します。
6.「保存」ボタンを押します。
7.遺失物管理プレートのトップに戻り「デプロイ」ボタンを押します。
以上で完了です!
これで「遺失物管理 受付番号」フィールドが空欄でも問い合わせ対応レコードを作れるようになり、まだ届いていない忘れ物に対しての問い合わせも記録できるようになりました。後からその物が発見されたら遺失物管理ミニアプリに登録し、問い合わせ対応ミニアプリから該当のレコードを再編集して受付番号を選択し直せばOKです。
このアプリ設定の変更、5分もかかりません。プログラミングの知識も不要、専用の端末やソフトも不要でブラウザから数分でアプリを変更できてしまうのです。Platioの特長を実感いただけるのではないかと思います。
全国にスポーツクラブを展開している株式会社ルネサンス様では、毎日、各店舗で10~20件の忘れ物が発生し、紙台帳での管理では、記録・問い合わせ・引き渡し対応の負担がかかっていました。
そこで、Platioで「忘れ物管理アプリ」を3日で内製。これまでの紙台帳と比べて記録の工数や検索の手間が半減し、スムーズな問い合わせ対応や引渡しを実現しています。
店舗の現場スタッフが本来の業務に注力できる体制が整った上、スムーズな対応で顧客満足度も向上しています。ノーコードのおかげで、開発経験のない従業員でも簡単にアプリを開発できました。運用開始後も工夫を重ねより使いやすく、管理項目の追加や削除など、自分たちの業務に合わせたカスタマイズを行っています。
株式会社加賀屋の運営するホテル旅館、「あえの風」では、清掃マニュアルを確認しながら清掃点検できる「清掃点検アプリ」を作成しました。
従来は点検結果や忘れ物などは紙の報告書に記入・管理していましたが、アプリの導入で事務作業を削減することに成功しました。事務作業で浮いた時間を接遇に充てることにより、顧客満足度の向上を図れるようになっています。
倉敷美観地区でホテルや体験施設、お土産ショップを運営する株式会社倉敷アイビースクエアでは、宿泊システム導入によるペーパーレス化を実現していました。しかし、遺失物管理や施設点検などの細かい業務は紙のまま運用しており、業務効率化を進めるためにはDXの推進が課題となっていました。
そこでPlatioを導入し、業務にあったアプリを3日で作成。繁忙期には月に100件以上の遺失物が届けられることもありますが、場所を問わずスマホで手軽に報告が可能になり、お客様からの問い合わせにスムーズに対応できるようになりました。結果として顧客満足度の向上にも繋がっています。
今回はアプリの設定変更の例についても触れ、紹介させていただきました。Platioは本当にアプリの設定変更が容易なので、このアプリに限らず「ちょっと違うな」「ここ足りないな」と思っても諦めないでPlatio Studioを開き編集していただくことをお奨めします。業者に頼むのとは違い、無料で仕様変更できるのでどんどん手を動かしていきましょう。管理者の我儘を叶えてくれるツールといえますね!
Platioの導入事例をひとつにまとめました。小売業やサービス業、医療法人まで幅広い事例を掲載しています。導入背景や課題、どんなアプリを活用して効果を上げたのか、導入担当者の声も交えてご紹介しています。
時間のかかる現場の管理業務。 モバイルアプリの活用による【現場のDX】推進をマンガでわかりやすく解説します。