近年、建設業は人手不足が深刻化しており、その中の一つとして業務が多岐に渡る現場管理者不足が挙げられます。現場管理者は、作業現場の指揮や管理、関係者とのコミュニケーションなど、現場の生産性に大きく影響を与える業務を担っています。そこで、現場管理者不足を解消する手段として注目されているのが、現場管理業務のデジタル化です。
本記事では、現場管理の仕事内容を整理し、現場管理業務の効率化のため、デジタル化を推進するメリットと注意点を解説していきます。また、記事の後半では現場管理を効率化するための具体的な4つの方法と、業務アプリを使って課題を解決した事例をご紹介します。
まず始めに、建設業における現場管理の仕事内容や施工管理との違いについて解説します。
現場管理とは、作業現場の指揮を取り、管理を行う業務です。基本的に現場作業に従事することはなく、工事全体の進捗管理をはじめ、工程・原価・品質・安全などの管理を行います。また、工事を滞りなく進めるため、職人はもちろん、取引先とのコミュニケーションを取ることも現場管理の重要な仕事です。
現場管理は、現場監督、施工管理などと呼ばれることもあります。明確な違いがあるわけではなく、企業や現場によって呼び名が異なることが多いようです。ただし、現場管理は現場管理中心で、施工管理はデスクワークが中心と線引きしているケースもあります。
この章では、建設業における人手不足が年々深刻化している理由について詳しく解説していきます。
国土交通省が2023年5月にまとめた資料※では、建設業の就業者数はピーク時である1997年の685万人から、2022年では479万人と、約30％も減少しています。また、2022年の建設業就業者における年齢割合では、55歳以上が35.9％、29歳以下が11.7％と、全産業の平均よりも高齢化が進行していることが述べられており、技術継承が急務とされています。
しかし、現場管理者は業務量が多いことに加え、職人や取引先の一人ひとりとコミュニケーションを取るのに工数がかかってしまい、部下や後輩の指導にまでなかなか手が回らないのが現状です。
※ 出典：国土交通省 建設業を巡る現状と課題
現場の人手不足を解消するため、近年は建設現場でもデジタル化が求められています。紙や事務所のパソコンで行われている進捗状況確認、健康状態の管理などをモバイルアプリを活用し現場からリアルタイムに報告することで、業務を効率化する動きも見られます。紙を中心としたアナログ業務にかかっていた時間や、報告のための事務所への移動時間を短縮することで手間を減らし、他の業務に時間をかけることが可能になります。
建設現場ではデジタル化が求められています。こちらではデジタル化を進めることによって得られる4つのメリットについて、詳しくご紹介していきます。
現場管理をデジタル化する場合は、「紙の報告書」などのアナログ業務をデジタル化することが生産性向上の近道です。その中でも、野外や移動が多い建設現場では、手元のスマートフォンから現場ですぐに報告が完了できるモバイルアプリの活用がおすすめです。現在、多くの人がスマートフォンを持っており、感覚的な操作性に慣れているため、ITに不慣れな従業員でも扱いやすく、デジタル化が浸透するまでに時間がかかりません。また、インターネット環境に左右されず、パソコンのようにかさばらないといったメリットもあります。作業現場にいながらでも、報告の必要があればその場で入力できるため、紙や口頭伝達が不要になり生産性はかなり向上するでしょう。どのような場所に居ても、リアルタイムに情報を更新できて、事務所に戻ってパソコンに入力するなどの移動時間を削減できます。
施工管理などのチェックにモバイルアプリを使えば、スマートフォンから写真や動画を簡単に添付した報告が可能です。写真や動画は現場の状況を正確に伝えやすく、相手に伝わりやすいのが魅力です。さらに、情報共有がしやすく、誰もがリアルタイムで現状を把握できます。特に早急に対応しなければならないトラブル時などは、紙や電話で伝える場合よりも、素早い対応が可能になります。
紙で情報を共有する場合は、伝達するまでに時間がかかります。電話で伝える場合は、個別での伝達しかできず、さらに言葉で状況を上手く説明しなければなりません。モバイルアプリであれば、「プッシュ通知機能」を活用することで、重要な連絡が埋もれることなく、必要な人に的確に情報を共有することができます。また、手元のスマートフォンから過去データの検索や閲覧も容易で必要な情報をすぐに確認することができます。今まで紙や電話で情報を伝えていた場合は、かなりの工数削減が期待できるでしょう。
モバイルアプリで情報を伝達する場合は、即時に情報を共有できるので、各自にヒヤリハットをいち早く伝えることができます。さらに、紙や電話と異なり、蓄積した情報を一覧から探しやすくなるので、過去の事例を参考に素早く安全対策を行うことも可能です。操作性が簡単なモバイルアプリで 入力できる仕組みを作ることで、口頭や紙で 共有していた時よりも情報を有効活用できるため、ヒヤリハットや危険のリスクを減らすことができるでしょう。
こちらの無料ダウンロード資料では、アナログ業務をデジタル化するための強力なツールとして、モバイルアプリを活用する重要性について紹介しています。
現場にはいまだに「紙」や「Excel」が業務ツールの中心として残っており、その環境を打開していくことが急務となっています。本資料では、現場に必要な環境づくりの勘所について触れながら、デジタル化によって現場業務の改善を図っていくための強力なツールとしてのモバイルアプリの重要性についてご紹介します。
人手不足や業務効率化のため、デジタル化を進めたいといった現場は多いでしょう。しかし、いくつか注意点があります。
建設現場では、あらゆる年齢の人が働いています。年配の作業員やデジタル機器に慣れていない場合、操作が難しいと慣れるまでに時間がかかってしまいます。普段使っているモバイルアプリのような「分かりやすさ」「操作のしやすさ」が考慮されたものでないと、浸透するのは難しいでしょう。また、システムを導入する場合は、自社の効率化したい内容が実現できるか、現場に合った機能はついているかなど、機能の幅広さや充実度も確認しておく必要があります。
システム導入するなら、全員が活用できるものでないと意味がありません。運用を始めるにあたって、体制・仕組みづくりは非常に重要になります。どのような立場の人であっても同じレベルでシステムを活用できるようにすることが大切ですが、慌ただしい現場の中で、何度も操作説明会を行うことや研修会が何日も必要になるような複雑なシステムはなかなか浸透しづらいでしょう。
現場管理を効率化するためにできる、具体的な4つの方法についてご紹介します。
特定のソフトウェアを利用した場合、事務所などのパソコンで入力しなければなりません。しかし、ソフトウェアのインストールをしなくても、インターネットなどのネットワーク経由でサービス利用ができるクラウドを活用すれば、場所を選ばずにリアルタイムでデータを共有・管理できます。多くの人に同時に情報が伝えられる、データが蓄積される、どこからでも操作できるという条件は、忙しい現場において欠かすことのできない条件と言えるでしょう。
現場管理は、多方面かつ多くの人とコミュニケーションを取らなければなりません。業務アプリを活用すれば、今まで一人ひとりにかけていた多くの時間を、1つの操作で同時に複数の関係者に伝えることが可能になります。また、スマートフォンであれば、携帯しやすいのはもちろんのこと、即応性があり、写真や動画を活用できるなどの利便性もあります。
現場では「前任者が行っていた」「いつもこうしている」など、属人化しやすい業務が多数あります。しかし、今まで担当者ごとにバラつきのある作業も、システムを導入することで、業務フローが統一化されたり、従業員全体の業務が把握しやすくなり、管理工数が削減されます。また、データの蓄積により疑問点や課題も分かりやすくなるでしょう。
毎日行う健康管理も手書きの報告書を回収する手間や、記載内容をデータ化する作業が必要でした。「工事安全点検」「現場作業報告」「ヒヤリハット記録」など、日々の業務内容は多岐にわたり、膨大なデータを管理する必要があります。しかし、毎日必要な管理項目をデジタル化することによって入力は各自で行うことが可能になり、データも蓄積されるので、管理者の作業工数はかなり削減できます。
上記でご紹介した方法4つの の内容をすべて網羅できるのが業務アプリです。業務アプリを活用することで、業務を効率的に処理することが可能になります。
Platio（プラティオ）は、自社の業務に合ったモバイルアプリをプログラミング不要で作成・活用できるモバイルアプリ作成ツールです。オフライン環境に対応しているため、倉庫内や山間部といった電波が入りにくい現場でも利用できます。日時や位置情報の自動入力や選択肢の入力補助もあるので、誰でも簡単に操作できる点も魅力です。登録したデータはクラウド上に蓄積され、ブラウザから一覧やグラフ表示で確認できます。また、データはCSVやExcel形式でエクスポートすることも可能です。
Platioが提供している業務アプリはこちらからご確認ください。
建設現場の作業状況の見える化はアプリで管理！
工場現場に置ける作業状況の報告、管理アプリはこちら！
工事開始前に点検項目を記録できるアプリをご紹介！
工事現場の危険体験を記録して再発を防ぐ！業務アプリツールのテンプレートはこちら！
Platioでアプリを作成する際は、さまざまな業務で使える100種類以上のテンプレートから選び、項目の追加や見た目の設定を行います。ドラッグアンドドロップといったマウス操作で簡単に業務アプリが作れるため、プログラミングの知識がない現場の従業員でも、数日で自社の業務に合ったモバイルアプリを作成可能です。
業務アプリを実際に導入し、現場の業務効率化を実現した事例を紹介します。
東備建設様は、岡山県を中心に設備・土木関連の事業を広く展開しています。工事に使用する重機の点検記録を用紙に記入しており、記入済みの用紙は月に1度回収して点検状況の確認を行っていました。しかし、回収までに時間がかかり状況の確認が難しいことや、記入漏れがあった場合に対応できないことが課題となっていました。
そこで、Platioを導入し「重機点検アプリ」を作成したことで、業務アプリで簡単に点検報告ができ、点検状況をリアルタイムに確認できるようになりました。また、点検用紙の回収や管理業務の効率化を実現しました。
事例の詳細はこちらからご覧ください。
宅地造成、道路、林道など、幅広い土木工事を通じて地域の人々の暮らしに貢献している株式会社小坂田建設様は、工事用の車両や、建設機械の始業前点検をはじめとした点検と管理を徹底しています。しかし、運転席がオープンな建設機械では、紙の点検用紙が雨で濡れ破けてしまったり、紛失することがありました。
そこで、Platioを導入し車両/重機点検アプリを２日で作成。紙の点検用紙をなくしアプリに置き換えたことで破損や紛失のリスクがなくなり、現場で手軽に報告できるため、報告漏れがなくなり点検品質が向上しました。さらに、社員の点検意識が高まり、点検の徹底により故障を早期予防し、修理費用の削減にも役立っています。
事例の詳細はこちらからご覧ください。
今回は現場管理に求められるデジタル化と具体的な４つの方法について解説しました。現場管理をデジタル化することによって、以下のようなメリットが得られます。
現場管理を効率化する具体的な方法として、以下の方法で進めていくことをおすすめします。
現場管理の効率化には、モバイルアプリの活用がおすすめです。モバイルアプリ作成ツールPlatioであれば月2万円〜と低コストで導入できるうえに、プログラミングの知識がなくても現場の業務に合わせたアプリが短時間で作成・運用できます。
現場管理の業務効率化を考えているのであれば、業務アプリも検討に加えてみてはいかがでしょうか？
現場で使えるアプリの作成や現場のDX推進に向けて下記の資料もご参考ください。
