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インフラ点検の現状と課題!新技術やモバイルアプリの活用で点検業務を効率化

インフラ 点検

道路・橋・トンネルなどの社会インフラは今後、老朽化が一気に加速すると言われています。例えばインフラ老朽化が原因と見られる事故例として、令和7年1月に埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故は記憶に新しいところです。また下水道管の老朽化によるトラブルは全国各地で頻発しており、この状況を受けて政府も対策の強化に乗り出しています。

そして、社会インフラの適切な維持管理のためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。デジタル庁が担うデジタル臨時行政調査会では、「目視」や「実地監査」といったアナログ業務を見直すべく、「アナログ規制」4000条項の一括見直しプラン策定や2023年からの法改正を目指しています。持続可能なインフラメンテナンスの実現に向けて、インフラ点検の取組を充実させることや深化させていくことが今後の課題と言えるでしょう。

そこで本記事では、インフラ点検の現状や効率化のための方法について解説します。

インフラ点検とは

インフラ点検とは、道路・橋・トンネル・河川施設などの社会インフラを点検・診断・評価・劣化予測などを行うことによってメンテナンスしていくことを指します。ここでは、インフラ点検の現状や今後の課題について解説していきます。

老朽化とインフラ点検の現状

道路・橋・トンネル・河川施設などのインフラは、1960~1970年代の高度経済成長期に建設されているものが多く、建設から50年以上経過したものが増え続けています。立地環境や維持管理によっては、50年に満たないものでも危険性が出てくるものもあるので、インフラ点検は欠かせません。老朽化したものを放置しておくと、コンクリート片などによる第三者災害を招くことになり大変危険です。

そこで、国土交通省は2014年から高さ2m以上の道路橋やトンネルを5年に1回の頻度で近接目視による定期点検を市町村に義務付けています。

しかし、定期点検が義務化されたからといって、すべてのインフラが安全とは限りません。
以下では、実際に発生したインフラ老朽化による事故例と、国や地方自治体の取り組みについて解説します。

インフラ老朽化による事故例

インフラの老朽化が原因で発生した事故は、これまでに多数報告されています。ここでは、代表的な事例を紹介します。

埼玉県八潮市 道路陥没(2025年)

2025年1月28日、埼玉県八潮市で大規模な道路陥没事故が発生しました。トラック1台が陥没に巻き込まれただけでなく、約120万人に対し下水道の使用自粛要請が出され、広範囲に渡り影響を及ぼしました。
事故の原因は、老朽化した下水道管の損傷とされています。管の破損により路面下の土砂が吸い込まれ、空洞が発生したことで、陥没につながったとみられています。

和歌山県 水管橋崩落(2021年)

2021年10月3日、和歌山県和歌山市紀の川に架かる水管橋が崩落しました。この事故により、約6万世帯(約13万8000人)が断水する事態となりました。原因は水道橋の腐食による破断であり、点検や補修が十分に行われていなかったことが、被害を拡大させたと指摘されています。

広島県 砂防ダム決壊(2018年)

2018年6月末から続いた西日本豪雨により、広島県内の砂防ダムが決壊しました。7月6日には大規模な土石流が発生し、10人以上が犠牲になるなど深刻な被害をもたらしています。
決壊した砂防ダムは建設から70年以上が経過しており、老朽化の懸念が以前から指摘されていました。しかし、十分な対策が講じられないまま被害が発生した形となりました。

国・地方自治体の取り組み

政府や地方自治体は、老朽化が進むインフラの維持管理を強化するため、これまでにさまざまな施策を推進しています。

インフラ長寿命化計画

「インフラ長寿命化計画」は、2014年に国土交通省が策定した行動計画で、インフラのライフサイクルを延ばすための施策が盛り込まれています。2021年6月には第2次インフラ長寿命化計画が策定され、定期点検の強化や新技術の導入を進め、将来にわたって安定的にインフラを維持するための継続的な対策が示されました。

インフラDX 総合推進室

「インフラDX総合推進室」は、デジタル技術を活用してインフラ管理を効率化することを目的に、国土交通省が2021年に設立した組織です。国土技術政策総合研究所や地方整備局と連携し、実験フィールドの整備やDX人材の育成を行っています。

インフラメンテナンス国民会議

「インフラメンテナンス国民会議」は、企業や研究機関、施設管理者、市民団体などが連携し、インフラメンテナンスを推進するためのプラットフォームとして設立されました。
以下の5つの目的を掲げ、フォーラムやシンポジウムを通じた情報共有や意識向上を促進しています。

  1. 革新的技術の発掘と社会実装
  2. 企業等の連携の促進
  3. 地方自治体への支援
  4. インフラメンテナンスの理念の普及
  5. インフラメンテナンスへの市民参画の推進

インフラ点検の課題

老朽化したインフラは、放置しておくと大きな事故につながることもあるので、定期的なインフラ点検が必要です。しかし、インフラ点検を行うにあたって、さまざまな問題を抱えているのが現状です。

人手不足

インフラ点検を行う際は、現地に足を運び目視で行います。点検のために足場を組んだりゴンドラを準備したりすることも多く、橋などは転落などの事故リスクが高い作業のため、専門家などの人材も必要となります。しかし、労働人口が減少傾向にある近年では、必要な人材が集まらず、人手不足に悩まされている現場も多くあります。

そのためインフラ業界では、国土交通省を中心に、点検業務にドローンをはじめとする新技術の導入を進める方向になってきています。
また、インフラの安全を維持するためには、熟練の経験やメンテナンス技術が必要です。特に劣化が表に出にくい場合は判断が難しいため、経験値の高い技術者が常に不足し深刻な問題になっています。そのため、少人数でもインフラ点検を維持できる仕組み作りや技術伝承などの人材育成も急務になっています。

資金不足

インフラ点検を維持していくには莫大な費用がかかります。しかし、多くの自治体では、予算不足のためインフラ点検の遅れへの課題も顕在化しています。

インフラ点検を目視で行うためには、人件費はもちろんのこと、足場やロープワークなどの準備・設置、点検車・高度作業車の手配や運搬などの費用が必要となります。

費用を抑えるためにも、今後は新技術の積極的な活用や、アナログな業務のデジタル化を通して効率化を図り、持続可能なインフラメンテナンスの実現を目指すことが課題と言えるでしょう。

インフラ点検を効率化する方法

従来の点検方法は「目視」や「定期的な巡回」が中心でしたが、現在ではさまざまな最新技術を活用することで、より迅速かつ的確な点検が可能になりました。以下では、インフラ点検を効率化する3つの最新技術をご紹介します。

5G(第5世代通信)の活用

従来の通信技術では、大容量のデータをリアルタイムで送受信するのが難しく、監視カメラによる遠隔点検では映像の遅延が発生することもありました。
しかし、5Gは高速・大容量の通信が可能なため、インフラのリアルタイム監視や点検データの即時共有がスムーズに行えます。

ドローンの利用

今までは専門家が現地に足を運んで点検を行うという方法が取られていましたが、現在はドローンでの遠隔操作が行われるようになりました。点検のための準備や足場や機材などの設置が不要で、点検車・高度作業車も必要ありません。ドローンの操作はリモートで行うことができ、高所の点検でも、安全かつ安価に行えます。また、従来の目視点検で発生する死角となっていた箇所も点検できるようになります。ただし、空港周辺や住宅地など、ドローンが飛行できないエリアには対応できません。また、ドローン飛行については事前に「国土交通省」許可をとり、飛行する地域の「自治体」に確認が必要になります。

AIの画像診断

AI(人工知能)による画像診断も注目されています。AIによる画像診断の精度は高く、正確性が求められる医療現場においても専門の画像診断医にも劣らないほどの精度と言われています。専門家が膨大な数の画像から劣化の有無を確認することは、人員不足、予算、時間などあらゆる面で困難を極めますが、ドローンの遠隔操作とAIの画像診断を組み合わせることによって素早く省コストでの点検が可能です。

点検報告業務のデジタル化!アプリ活用でさらに業務効率化

ドローンが飛ばせない地域もあり、まだまだ人による点検が必要な場所も多数あります。国土交通省によると、建設後50年以上経過するインフラの割合は以下(表1)のようになっており、多くのインフラ点検を効率良く進めていかなければならないことがわかります。ドローンが使えない場所では、人が画像を撮影することになりますが、今までのように事務所に戻って画像を取り込みファイルに保存、必要であればメールで送信というような手順では、多くの時間と手間がかかってしまいます。

そこで、点検報告業務を効率化するために、点検現場で報告が完結できる「モバイルアプリ」の活用がおすすめです。
アプリを使ってリアルタイムで情報共有したり、点検業務や報告業務など、今までアナログで行っていた業務をデジタル化することも、インフラ点検の効率化のために大きなポイントとなってくるでしょう。

インフラ 総数 2023年 2030年 2040年
道路橋 約73万橋 約37% 約54% 約75%
トンネル 約1万2千本 約25% 約35% 約52%
河川管理施設
(水門など)
約2万8千施設 約22% 約42% 約65%
水道管路 約74万Km 約9% 約21% 約41%
下水道管 約49万Km 約7% 約16% 約34%
港湾岸壁 約6万2千施設 約27% 約44% 約68%

モバイルアプリ活用のメリット

人の手によるインフラ点検は、点検後に報告書を作成するなど多くのアナログ作業が必要となります。将来的には、膨大な数のインフラ点検を効率的に行っていく必要があり、そのためにも点検業務や報告業務のアナログ化を解消することが重要です。点検・報告業務でモバイルアプリを活用することには以下のようなメリットがあります。

視覚的な情報共有が可能

モバイルアプリを活用すれば、その場で何かあった際すぐに入力できるだけではなく、スマートフォンから直接「写真」や「動画」を添付し視覚的で分かりやすい情報共有が可能になります。モバイルアプリと5Gを組み合わせることで、現場で撮影した写真や点検データを瞬時に関係者と共有できます。例えば、通勤途中や移動中に異常を発見した場合でも位置情報付きで写真などの点検データをリアルタイムに共有できるため、発見から報告、対応までのスピードが格段に向上するでしょう。

位置情報を自動で取得できる

位置情報を自動で取得できるため、紙の地図を元に緯度・経度データを起こすなどの事務作業も不要になります。

モバイル端末の機能と連携できる

いつもの数値との誤差が合った場合に、自動で管理者や他のユーザーにメールやプッシュ通知を送信できる機能が使えるモバイルアプリであれば、異変に気づきやすいといったメリットもあります。

電波状況に左右されにくい

場合によってはトンネルや地下など、電波が届かない点検現場もあります。オフラインに対応したモバイルアプリであれば、電波の状況に左右されにくく、その場で報告を完結できる場面が多いことも特徴です。

モバイルアプリを活用することによって、データも蓄積されるので、分析や今後の計画も立てやすくなります。
今後はアナログ化していた業務をいかにデジタル化し、効率良くインフラ点検を行っていくかが重要となるでしょう。

点検・業務効率化に関する業務アプリ導入事例

ここからは、実際にモバイルアプリを活用して業務効率化に成功した企業の事例をご紹介します。いずれの事例も、業務に合わせたモバイルアプリの作成ができるツール「Platio(プラティオ)」を使用したものです。

アナログな点検・報告業務をモバイルアプリで効率化「Platio」

「Platio(プラティオ)」は、あらかじめ用意された100種類以上のアプリ用テンプレートの中から、自社の業務に合ったものを選択するだけで誰でも簡単に業務用モバイルアプリを作成できるツールです。プログラミングが不要なため、企業の情報システム部門だけでなく現場の点検業務をよく知る従業員が自らアプリ作成をすることができます。

また、作成したアプリはオフラインでも使用できるため、トンネルや地下などの電波が届きにくい場所での点検・報告業務であっても、その場で入力して報告まで完了させることが可能です。

テンプレートの一例は以下のページからご覧いただけます。

“匠の技”記録アプリで年間1,000時間の業務を削減。効率的な業務現場のノウハウ蓄積により技術継承を効率化と共有を実現(NTT東日本 茨城支店 様)

電気通信設備の構築や管理、保守を担うNTT東日本 茨城支店様では、ガスや電気など、他のインフラ企業が地面を掘り起こして工事を行う際に、各社依頼のもと立ち会い、管路の埋設位置などを説明しスムーズな工事に協力しています。しかし、長年立ち会いを担当してきたベテランたちが高齢化しており、若手社員へのノウハウ継承が急務に。

そこで、Platioで現場のノウハウをその場で報告できる「工事立ち合いアプリ」を2日で作成し、効率的かつ信頼性の高い情報を蓄積。年間1000時間の業務を削減し、ノウハウ蓄積による若手育成を効率的に推進しています。

※主に電線や光通信などのケーブルを地下に埋設するための専用の管

株式会社NTT東日本 茨城支店、現場の“匠の技”記録アプリを2日で作り、技術継承を効率化

詳しくはこちらをご覧ください。

株式会社NTT東日本 茨城支店、現場の“匠の技”記録アプリを2日で作り、技術継承を効率化

被災状況報告アプリで現場の状況を即座に共有、災害発生時の初動を迅速化(熊本県小国町 様)

熊本県小国町では、過去に災害が発生した際、被災状況を用紙に書き込んで災害対策本部で共有していました。しかし、文字のみでは状況の正確な把握が難しい点、現場と役場を往復しなければならない点が課題でした。

そこで、役場の担当者がノーコードツール「Platio」で「被災状況報告アプリ」を1日で作成。これにより、災害時発生時は本部との情報共有を素早く行うことが可能となり、正確な状況を把握できるようになりました。

被災状況報告アプリで即座に現場の情報を収集、迅速な初動対応に貢献

詳しくはこちらをご覧ください。

熊本県小国町様
被災状況報告アプリで即座に現場の情報を収集、迅速な初動対応に貢献

重機点検アプリで点検報告をその場で完結。リアルタイムな情報共有と業務効率化を実現(東備建設株式会社 様)

設備・土木関連の事業を広く展開する東備建設株式会社様では、工事に使用する重機の点検記録を用紙に記入し、記入済みの用紙は月に1度回収して状況の確認を行っていました。しかし、回収までに時間がかかり状況の確認が難しいことや、記入漏れがあった場合に対応できないことが課題に。

そこで、Platioを導入し「重機点検アプリ」を作成したことで、業務アプリで簡単に点検報告ができ、点検状況をリアルタイムに確認できるようになりました。さらに、点検や管理業務の効率化を実現しました。

東備建設、毎日の重機点検報告をアプリで完結!点検漏れゼロを実現

詳しくはこちらをご覧ください。

東備建設、毎日の重機点検報告をアプリで完結!点検漏れゼロを実現

まとめ

インフラ点検の現状と今後の課題について解説しました。今後、増え続けることが予測されるインフラ点検には、既に以下のような対策が実施されています。

  • インフラ長寿化計画
  • ドローンの利用
  • AIの画像診断

しかし、点検作業だけを効率化しても、報告業務などがアナログのままでは、多くのインフラ点検を効率良く進めていくことができません。今までアナログなやり方だった非効率な業務をデジタル化していくことも今後は重要になっていきます。
インフラ点検の報告業務を効率的に行うには、業務アプリ作成ツール「Platio」の活用がおすすめです。Platioは初期費用0円、月額2万円台からと低コストで導入できるうえに、プログラミングの知識がなくても現場の業務に合わせたアプリを短時間で作成・運用できます。

業務用モバイルアプリ作成の無料体験もご用意していますので、まずはお気軽にお試しください。

また、本記事でご紹介した事例のほかにも、オフライン環境での現場業務を効率化した事例はこちらの事例集でご覧いただくことができます。

Platio編集部 最終責任者:中野

著者画像 中野

2013年にアステリアに入社。制作からディレクションなどPlatioのWEB関連を担当をしています。

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