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PHSサービス終了に伴う医療機関への影響とは?

1995年からサービスが開始されたPHSサービスですが、いよいよ最後の砦であるワイモバイルのサービスも2020年7月末に終了することが決まりました。PHSは電波が微弱なため医療機器への影響が少なく、病院などの医療機関では広く普及していたため、今回のサービス終了は他の業界よりもインパクトが大きいといえるでしょう。そこで今回は、PHSサービス終了にともなう病院などの医療機関への影響や、別サービスに移行した場合の影響などについて解説します。

医療現場:PHS

ソフトバンク、PHS終了を2021年1月末に延期(2020/04/17発表)

1. 医療機関で利用しているPHSへの影響

PHSサービスが終了すると、原則としてPHSの継続利用はできなくなります。

構内PHSであれば継続利用が可能

2020年7月末でPHSサービスが終了すると、通常のPHS端末の利用はできなくなります。ただし、4G回線を利用して構内PHSとして内線化している場合に関しては、2020年7月末以降もそのまま利用可能です。しかしながら、院内にPHSアンテナの設置が必要になることや、PHS端末やルーターが古い規格のものであった場合には罪に問われるリスクがあります。また、構内PHSサービスがいつまで利用できるかについても不透明なため、このタイミングでスマホやケータイへの乗り換えを検討したほうがよいでしょう。

病院などの医療機関でなぜPHSが広く利用されていたのか

以前は、ケータイやスマホの発する電波が、医療機器に悪影響を及ぼす可能性があると考えられていました。また、病院などのリソース不足を解消するために、ICTサービスの導入も積極的に行われてきたため、電波が微弱なPHSは業務に支障を及ぼす影響が少ないという理由で、医療機関に広く普及した経緯があるのです。そのため、院内のコミュニケーション手段として、通話をメインにPHSが広く使われてきました。

以前の携帯電話は電波が弱く安定しないという理由で、強い電波を飛ばす必要がありました。それに対しPHSは弱い電波でも利用できたため、医療機関での利用が進んだのです。しかし現在では、技術進歩と多くの実証実験によって、スマホやケータイの電波もPHSと同水準以下に抑えられるようになりました。

sXGPについて

医療機関での人手不足は深刻なため、今後も電波を利用するICT機器やサービスの導入が進むと予想されます。そんな中、今注目を集めているのがPHSの後継として開発された「sXGP(エスエックスジーピー)」です。

sXGPとは英語の「Shared eXtended Global Platform」略語で、XGPフォーラムが検討中の自衛通信用向けの規格になります。LTE技術を利用した1.9GHz帯を使用する通信システムになっており、構内PHSの使い勝手を再現することから、医療分野でも活用が期待されています。

なお、sXGPのメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

・通信エリアが広い

sXGPはWi-Fiよりも電波の出力が大きく、アクセスポイントごとにカバーできる通信エリアが広い点が特徴です。そのため、設置するアクセスポイントの数を減少できるため、安定した通信環境が作れることに加え、運用コストを安価に抑えることができます。

・安定した通信が可能

現在、Wi-Fiで使われている2.4GHz帯や5GHz帯は、非常に混雑している状況です。そのため、医療機器の安定稼働が求められる病院などの医療機関においては、利用が厳しいケースも散見されました。しかし、sXGPは1.9GHz帯を使用しているため、2.4GHz帯や5GHz帯のような混雑はありません。したがって、安定した通信が可能になるのです。

・セキュアな通信環境が構築可能

sXGPは通常のLTE回線のようにキャリアによって提供される通信環境ではなく、独自のLTE環境を構築することが可能です。したがって、プライベートなネットワークを構築できるため、秘匿性の高い情報のやり取りが安心して行えるセキュアな環境を構築することができます。

2. スマホへの移行によるメリット

PHSからスマホへ移行することで、医療機関にどのようなメリットがあるのか説明します。

内線と外線を1台の端末で利用可能

PHSには、内線と外線を同じ端末で利用できないというデメリットがありました。しかし、
スマホを内線化することで、1台の端末で内線と外線の利用が可能になります。したがって、これまで医療機関のスタッフが内線と外線を利用したい場合には、端末を2台以上持ち運ぶ必要がありましたが、スマホに移行すれば1台で完結させることができるのです。

電子カルテが利用できる

現在、医療機関では電子カルテが多く利用されていますが、スマホであればいつでもどこでも見ることが可能になります。医療の現場では緊急性が高い業務も多く、すぐに患者の情報を確認したいシーンも多いものです。PHSを利用している場合には、自分のデスクにあるPCやナースステーションで電子カルテの情報を確認するしかありませんでした。しかし、スマホであれば移動中や患者さんの診察中でも電子カルテの閲覧が可能になるため、大きく業務効率化が図れるでしょう。

アプリの活用

スマホは通話できるだけでなく、アプリを活用することでさまざまな業務効率化が可能になります。前述した電子カルテの利用はもちろん、スタッフ間のやり取りをチャットアプリで行うことでコミュニケーションを活性化することもできるでしょう、また、備品管理や看護日報、プロジェクト管理、カンファレンスの出欠管理といった、医療現場のさまざまな日常業務にもアプリの活用が進んでいます。

「Platio」のHITO病院事例

3. スマホ移行で医療機関の働き方改革を実現

今回は、PHSサービス終了ともなう、病院などの医療機関への影響などについて解説しました。ケータイやスマホに移行することでPHSでは利用できなかったアプリなどが利用できるうえ、通話エリアも広くなるといった多くのメリットがあります。また、2020年7月末までに移行すればMNPも可能になり、ワイモバイルではPHSからスマホやケータイ(ワイモバイルのもの)への切り替えキャンペーンも実施していますので、移行を検討するには絶好のタイミングといえるでしょう。昨今、リソース不足が叫ばれる医療現場において、医師や看護師、メディカルスタッフの働き方改革に注目が集まる中、スマートフォンへの移行とアプリの活用は、この課題に対するひとつの解になるのではないでしょうか。

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