
近年では、ビジネスを取り巻く環境の変化が加速しており、市場競争力の強化や業務効率化を図るため、DX推進に取り組む企業が増えています。
しかし、現場では依然として、Excelや紙ベースの運用を中心としたアナログな業務が残っているケースが多く、手入力など人手に頼った業務により増大する作業時間や手間、情報共有の遅れなどが課題として挙げられます。これらの課題を解決し、現場の業務改善を行う方法として近年注目されているのが、モバイルアプリの活用です。モバイルアプリを活用することで、現場の業務効率化やスムーズな情報共有を実現し、企業全体のDXを推進することができます。
本記事では、現場業務の改善にモバイルアプリの活用が注目される理由・メリットを解説します。また、モバイルアプリの作成からデータ連携までをノーコードで実現できる「Platio Connect(プラティオ コネクト)」を利用し、現場の業務改善だけでなく、業務システムや基幹システムとの連携でデータ収集・突合の自動化にも成功した4つの事例をご紹介します。
全社ではDXが推進されているものの、現場ではいまだに紙ベースの運用が続いているという企業は少なくありません。
現場の業務を効率化する方法はいくつか考えられますが、特に注目されているのがモバイルアプリの活用です。
いつでも・どこでも使えるモバイルアプリを導入すれば、データの記録や共有がスムーズになり、現場の作業負担を軽減するとともに、業務全体の効率化が可能になります。
以下では、現場で直面する課題と、モバイルアプリ活用によるメリットについてご紹介します。
たとえば建設現場では、業務日報や工事図面、写真、検査記録などを紙でアナログ管理しているケースが多く見られます。紙ベースの運用では、手書きした記録をExcelや管理システムへ入力する際に転記ミスが発生しやすく、確認や修正作業に多くの手間や時間が割かれているのではないでしょうか。
また、書類のファイリングにも手間がかかり、すぐに必要な情報を探し出せないという問題もあります。さらに、紙による情報の回覧はどうしても時間がかかるため、関係者全員が最新情報をタイムリーに共有するのが難しくなります。
その結果、現場対応の遅れや情報の行き違いといった問題が頻繁に発生してしまうのです。
このような紙ベースによる課題を解決するため、近年では現場の業務にモバイルアプリを導入する企業が増加しています。モバイルアプリであれば、現場の作業報告や記録などをその場で入力でき、後からExcelや管理システムに転記する必要がないため、入力作業を効率化することが可能です。また、入力した情報はモバイルアプリを通してすぐに共有されるため、現場の担当者や管理者などの間で、常にリアルタイムな情報を把握できます。
さらに、データとして情報を蓄積することで、可視化や分析が容易になり、意思決定のスピードや精度も大幅に向上するでしょう。
膨大な情報をもとに報告書やレポートを毎回手作業で作成していると、多くの労力を費やすことになります。また、紙に印刷して関係者へ回覧する運用では、全員に最新情報が行き渡るまで時間がかかり、無駄な人件費や工期の遅延を引き起こしてしまうことも少なくありません。
そこで注目したいのが、モバイルアプリを活用したデータ収集や突合の自動化です。
以下では、業務アプリの作成からデータ連携までをノーコードで実現する「Platio Connect(プラティオ コネクト)」を用いて業務改善を実現した事例をご紹介します。
「Platio Connect」は、自社の業務に合わせたモバイルアプリの作成・活用からデータ連携までを、ノーコードで実現できるツールです。さまざまな現場の業務に合わせた100種類以上のテンプレートが用意されており、自社の業務に適したものを選ぶだけで、現場業務に役立つアプリを誰でも簡単に作成することができます。
機能のカスタマイズも容易で、たとえば「スマホで写真を撮影して保存・共有する」「バーコード・QRコードを読み取って入出荷情報を一括管理」といった機能も簡単に設定可能です。
さらに、作成したモバイルアプリは、100種類以上のシステムやサービスとノーコードでデータ連携することも可能です。そのため、現場で入力したデータをそのまま業務システムや基幹システムに共有・活用でき、データ入力や集計作業の手間が大幅に削減されます。
株式会社フィールド・パートナーズ様は、土地の土壌汚染調査や浄化工事を手がける企業です。
同社では、安全衛生を確保するため、工事現場で転倒防止対策や保護具の着用状況などをチェックする「安全パトロール」を実施していました。
これまでは紙の点検表に記録し、その後、現場事務所でExcelに転記して報告書を作成するという手順を踏んでいました。この作業は時間がかかるだけでなく、報告が遅れるという課題を抱えていました。
そこでPlatio Connectを活用し、安全パトロールをアプリ化。点検データを現場でモバイルアプリに入力する運用に切り替え、業務ポータルとも連携したことで、報告書の自動作成を行えるようにしました。また、入力された点検結果は社内SNSを通じて関係者に自動通知されるため、情報共有の迅速化も実現しています。
この取り組みの結果、年間で約1,800時間もの工数を削減することに成功。指摘箇所や是正後のデータを統計・分析することで、安全意識の向上にもつながっています。


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Jマテ.カッパープロダクツ株式会社様は、水道部品や産業機械部品を中心に製造を行う銅合金メーカーです。
同社では、過不足なく素材を安定供給するため、取引先工場の在庫状況をリアルタイムに把握することが必要でした。しかし、企業間で在庫状況を共有するためには基幹システムの改修が必要であり、コストや時間が課題となっていました。
そこで、Platioで作成した入出庫管理アプリを、取引先の工場内で利用してもらうことで、納品素材の利用状況や在庫状況を即座に把握できるようになり、安定した素材供給を実現しています。
また、作成したモバイルアプリは、RPAツールで基幹システムや取引先との共有データベースであるkintoneとデータ連携し、アプリ上での入力業務やkintoneへの登録作業を自動化しました。これにより、現場の作業効率化だけでなく、生産計画の最適化や取引先の製品トレーサビリティ強化に貢献するなど、企業の垣根を超えた現場DXの取り組みを推進させることにも成功しています。


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株式会社ニックス様は、クラウドサービスの導入コンサルティングや開発支援サービスを提供する企業です。
同社では、テレワーク導入支援をテーマにした展示会に出展する際、来場者向けにフォローのきっかけとなる施策としてテレワーク診断レポートを計画しました。
しかし、紙で運用する場合は、1件あたり20〜30分をかけてレポートを作成しなければなりません。顧客へのフォローも遅れてしまうことから、ビジネスチャンスを逃す懸念がありました。
そこでPlatio Connectで診断アプリを3時間で作成し、さらにデータをkintoneと連携させ、診断レポートを自動で生成し、即座に配信できる仕組みを1日で構築しました。
その結果、約300件の診断レポートの生成から配信までを自動化し、約150時間の工数削減と作業効率化に成功しました。また、お客様からの問い合わせが増え、約4割が商談に発展するという大きな成果を上げました。


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ナブテスコ株式会社様は、様々な機器を「うごかす、とめる」技術を中核としてビジネス展開している企業です。
同社では、紙の日報を使用して業務を管理していましたが、項目が多く、記録やデータ化・集計作業が煩雑でした。また、受注番号などの記入ミスが頻発し、修正作業に多くの時間を費やしていたことも課題でした。
そこで、Platio Connectを導入し、作業日報アプリや出荷管理アプリを作成しました。アプリは基幹システムと連携しており、受注番号などの入力項目の約半数を自動的に反映する仕組みを構築。これにより、入力作業の手間と記入ミスが大幅に削減されました。
さらに、作業日報アプリから自動作成されたExcelのレポートや製品画像は、社内サーバーに自動で保管されるようにしました。
Platioの活用により、年間で約200時間以上の業務時間を削減した他、約2,400枚分のペーパーレス化にも成功しています。


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本記事では、現場の業務改善にモバイルアプリが注目されている理由、モバイルアプリと業務システムや基幹システムとの連携でデータ収集・突合を自動化した事例をご紹介しました。
現場では、紙ベースの運用による手入力や手作業の課題が未だに多く残っており、業務効率の低下や現場の作業負担増大につながっています。
そして、これらの課題を解決するために有効なのがモバイルアプリです。モバイルアプリを活用することで、入力・報告作業の効率化、リアルタイムでのスムーズな情報共有の実現が可能になるでしょう。さらに、現場のデータを業務システムや基幹システムと連携することで、データを可視化することができ、分析も容易になります。
今回ご紹介した事例で活用されているPlatio Connectは、ノーコードで誰でも簡単にモバイルアプリの作成、各種システムとのデータ連携までを行うことが可能です。また、実際にアプリを作成し、さまざまな連携方法も試せる無料体験も用意されています。現場の業務を改善したいとお考えのご担当者様は、Platio Connectを試してみてはいかがでしょうか。
現場でよく見られる課題を具体的に挙げ、その解決策としてノーコードツールであるkintoneとPlatioに焦点を当て、それぞれの特徴を紹介します。