ノーコードは利用用途に応じてさまざまなソリューションが存在しており、自社のビジネス課題に最適なソリューションを選択することが重要なポイントとなります。
ノーコードツールは大別すると業務アプリケーションとして必要となる「フロントエンド」のツールと、フロントエンドと基幹システムなどを連携させる「バックエンド」の2つに分けられます。特に、DX推進に際しては、基幹業務システムをはじめとする既存のシステムに保管されたデータはもちろん、クラウドへ移行した業務システムのデータを有効に活用することが重要となってきます。
というのも、せっかくフロントエンドのシステムをノーコードツールを駆使してスピーディに開発したとしても、データ活用のために周辺システムとの連携を予め考慮しておかないと、データ利活用のためのシステム連携の部分に開発工数を使わざるを得なくなり、スピーディに、DXに向けたデータ活用の仕組みを構築することができないからです。
そこで、フロントエンドと基幹システムを含む周辺システムとの連携を担うのが「バックエンド」のノーコードツールということになるでしょう。
では、バックエンドのノーコードツールにはどんなものがあるでしょうか。バックエンドには大きく「RPA(Robotic Process Automation)ツール」「iPaaS(Integration Platform as a Service)ツール」「データ連携ツール」の3つがあります。詳しく見ていきましょう。
RPAツールは、いわゆるホワイトカラーの定型業務を、ソフトウェアロボットが代行することで自動化、省力化による業務効率化を実現するものです。たとえば、業務端末などにアクセスしてクリックしてデータを探し、該当するデータを抽出してExcelなどの別のソフトウェアに転記(コピー&ペースト)するといった作業です。
人が画面で行った操作をレコーディングし再生することで、定期的に、繰り返し発生するような定型業務を自動化することに向いているソリューションで、現場部門でも扱いやすいノーコードツールということができます。
iPaaSツール は異なるサービスやアプリケーション同士を連携させることが可能なクラウドサービスのことです。クラウド環境で利用できるため、クラウド上のサービスなどとの連携が必要なケースにおいて手軽に利用できるのが特徴です。
また、クラウドで提供される業務アプリケーションの中には、APIなどによって外部のサービスやシステムと連携するためのコネクターを公開しているサービスも多いため、非エンジニアでもデータ連携に必要な加工や変換処理が可能です。
企業が扱う様々なシステム間のデータ連携を行うためのツールで、EAIやETLの領域で利用されています。
ノーコードのデータ連携ツールは、GUIでデータ連携のフローが簡単に設計でき、バッチでの一括データ連携はもちろん、リアルタイムにデータを同期させることもでき、幅広い用途で利用されています。また、iPaaSと違い社内システムとの連携をより柔軟に行うことができます。
続いて、自社のビジネス要件に沿った、バックエンドでのノーコードツールを選定するポイントを紹介します。
システムのIT化やクラウド活用が進んだことにより、企業では独自のシステムやデータがサイロ化しています。
データ活用を行うためには、これらシステムからデータを連携する必要がありますが、そのためには、クラウドサービスだけではなく、社内のオンプレミスの基幹業務システムや、既存のデータベースなど各種業務システムを含めた豊富な接続先が用意されているかが、ノーコードで迅速に連携をしていくためには大きなポイントです。
ユーザー部門での使い勝手は重要なポイントです。プログラミングに関する専門的な知識を有していなくても、直感的な操作で誰でも簡単に開発が可能かどうか。また一からフローを作成する必要がない業務処理にあわせたテンプレートが用意されているかなど、操作性や開発生産性の高さを検証することも重要なポイントです。
様々なシステム間でデータを連携するためには、確実なデータ処理が必須となります。システム毎に異なるデータフォーマットの差異を吸収するための加工変換処理、エラーが発生した場合のリカバリー処理、数千万件を超えるような大量データを確実に高速に処理できるどうかは確認しましょう。
オンプレミス型で利用マシンの台数に応じたライセンスだけでなく、月額利用料を支払うサブスクリプションなど柔軟なライセンス体系に対応しているかも選定の際のポイントになります。特に、サブスクリプション型の場合、IT資産の所有から利用にシフトし、IT投資対効果を高める効果が期待されます。
海外製の製品やサービスの場合、マニュアルなどの文書が基本的に英語であったり、技術的な問い合わせやサポートを受けられる時間帯にタイムラグがあったりするなど、国産の製品、サービスに比べてスピーディに不明点を解消することが難しいケースがあります。導入、運用に関してスピーディかつ円滑なサポートが受けられるかどうかは大事な検討ポイントの一つとなるでしょう。
ここまでバックエンドを支えるノーコードツールの選び方をご紹介してきましたが、フロントエンドからバックエンドまでを支援するノーコードツールも登場しました。
「Platio Connect(プラティオ コネクト)」はアステリアが提供する現場の業務で使えるモバイルアプリの作成・活用からデータ連携までをノーコードで実現できる製品です。フロントエンドでは、業務アプリの作成から活用までを、バックエンドではアプリと各種オンプレ/クラウドシステム、業務アプリとの柔軟な連携そしてデータ活用が可能で、企業のDXを推進します。
Platio Connectの特長をフロントエンドとバックエンドで簡単に紹介しましょう。
フロントエンドを支えるアプリ作成・活用機能では、100種類以上のテンプレートから選ぶだけで、誰でも現場に合った業務アプリをノーコードかつ3日で作り、すぐに運用を開始できます。現場のデジタル化と業務プロセス改善をスピーディーに実現でき、現場のDX推進に最適です。
バックエンドを支えるデータ連携機能では、現場データと様々なシステムやサービスをシームレスに連携、データ活用を推進します。アプリで収集した現場のデータは100種類以上のサービスやシステムとノーコードで連携することで、社内データ資産と組み合わせた活用が可能となり、データドリブン経営や企業全体のDX推進を支援します。
フロントエンドからバックエンドまでプログラミングの知識がなくても直観的な操作で業務アプリ開発やデータ連携が可能で、初期費用0円、月額9万円〜始められるため初めて使うユーザーにもおすすめのツールです。また国産のツールでドキュメントを含め手厚いサポート体制を用意しています。
DX推進するために欠かせないバックエンドのノーコードツールを中心に選定のポイントと代表的なツールをご紹介しました。自社の目的にあったサービスを選ぶためには、特に、現場のユーザー部門での使い勝手が重要なポイントとなるでしょう。トライアル利用が可能な製品・サービスもあるので、業務に精通した非IT人材によるDX推進を実現していくために、実際に検証しながら最適なサービスを検討してみてはいかがでしょうか。