
「kintone」は、ノーコードで簡単に業務改善アプリを作成できるその手軽さから、さまざまな企業のオフィス業務で導入が進んでいます。一方、オンライン環境での利用が基本となるため、オフライン環境での作業が多い現場では利用が制限され、現場のデータを活用しにくいという課題があります。
このような現場でのkintone活用における課題を克服し、現場のデータ活用を飛躍的に高める鍵となるのが「モバイルアプリ連携」です。スマートフォンで利用できるモバイルアプリならではのメリットや機能の活用によって、kintoneの可能性を大きく広げることが可能になります。
本記事では、kintoneとモバイルアプリを連携させることで生まれる具体的な5つの価値を詳しく解説。さらに、kintoneとスムーズに連携できるモバイルアプリ作成ツール「Platio(プラティオ)」の特長や、kintoneとの連携で現場の業務改善に成功した活用事例もご紹介します。
現場が抱えるデータ活用の課題を克服することで、社内の迅速な意思決定や効率的な業務改善につながります。
以下では、現場のデータ活用が進まない原因を解説します。
kintoneを導入しても、現場では依然として紙の帳票やExcelが使われ続けている企業も多いのではないでしょうか。
例えば、倉庫や店舗、工事現場では紙のチェックリストで記録し、事務所に戻ってからkintoneに入力するという運用方法が挙げられます。
紙からデータへの転記作業は、手間や時間がかかるうえに入力ミスや記入漏れが起きやすくなります。また、紙の保管や管理には物理的なスペースも必要で、運用コストもかさんでしまいます。
kintoneはオンライン接続が前提のため、通信環境が整っていない建設現場や地下、山間部などのオフライン現場では利用することができません。そのため、現場ではデータをいったん紙に記録し、後からPCへ入力するという運用にしている企業も多いでしょう。
しかしこの流れでは、メモの紛失や記憶頼りによる入力ミスが起こりやすく、報告が遅れることでデータの正確性や鮮度が失われてしまいます。
また、リアルタイムでの情報共有ができないことにより、トラブルや異常が見つかっても対応が遅れるリスクも高まります。
kintoneはノーコードで簡単に業務アプリを作成できる点が魅力ですが、より高度なカスタマイズ、外部システムとの連携、全社的なデータ活用といった局面では、専門知識を持つIT人材が不可欠です。
そのような担当者が社内で不足している、あるいは他業務との兼務で手が回らなければ、導入後のメンテナンスや現場の業務変化に合わせた改善が進まず、結果としてkintoneが形骸化してしまう可能性も考えられるでしょう。
kintoneは業務アプリを手軽に作れるツールですが、現場に対応しきれない場面もあります。そこで注目されているのが、モバイルアプリの活用です。kintoneとモバイルアプリを連携することで、前述したkintoneの課題を克服し、現場のデータ活用をさらに加速させることが可能になります。
ここでは、kintoneとモバイルアプリを組み合わせることで、現場の業務がどのように変化するのかをご紹介します。
kintoneにも入力を補助する機能はありますが、スマートフォンの操作性にはかないません。スマホなら、タップやスワイプといった直感的な操作に加え、テンキーでの数値入力も可能です。さらに、音声入力を活用すれば、手がふさがっている状況でも簡単に情報を記録できます。
また、多くのスマホには指紋認証や顔認証による画面ロック解除機能があるため、入力作業に入るまでの手間も少なく、作業の流れを止めません。
スマホならではの使いやすさによって、入力の負担が減り使いやすくなることで、ミスや記入漏れも少なくなり、入力されるデータ品質の向上につながります。
モバイルアプリとkintoneを連携することで、スマホで入力したデータが即座にkintoneへ反映されます。kintone側のダッシュボードやグラフ、レポートにもリアルタイムに情報が表示されるため、常に現場の最新情報を可視化することが可能です。
これにより、報告のタイムラグがなくなり、情報共有の手間を削減でき、チーム全体が同じデータを見ながら動けるようになります。現場と他部門との連携がスムーズになり、意思決定のスピードも格段に向上するでしょう。
スマートフォンの機能を活用することで、これまで紙やExcelで管理していた情報を簡単にデジタル化できます。
例えばカメラ機能を使えば、「バーコードを読み取って資材を登録する」「作業中の様子を写真で記録する」「位置情報を添付する」といったことが可能です。
テキスト入力では表現しきれない情報も手軽に取り込むことができるため、より正確で信頼性の高いデータが集まり、業務の可視化と効率化が進みます。
kintoneは、基本的に電波が届かない場所では入力や閲覧ができません。オフライン入力と自動同期に対応したモバイルアプリであれば、通信が途切れていてもその場で入力を続けることができ、電波が回復すると自動的にkintoneと同期されます。これにより、紙への一時記録や後からの転記が不要になり、記録ミスや入力漏れを大幅に削減できます。
kintoneはカスタマイズ性に優れていますが、複雑な設定や拡張には専門的な知識が必要です。その点、ノーコードでカスタマイズできるモバイルアプリなら、画面のレイアウト変更や入力項目の追加・削除といった調整を現場の従業員自身が簡単に行えます。
IT部門や外部業者に頼らず、現場で素早く対応できるため、業務に合わせた細かな改善が可能になります。現場主導の運用が定着すれば、改善のスピードが上がり、デジタル化の推進につながるでしょう。
kintoneとモバイルアプリを連携させたいと思っても、「アプリ開発には専門知識が必要」「社内に詳しい人がいない」「外注するとコストがかかる」と、導入をためらう企業も少なくありません。
そんな課題を解決してくれるのが、ノーコードでモバイルアプリを作成できる「Platio(プラティオ)」です。
ここからは、Platioの主な特長と、kintoneと連携した事例について紹介します。
「Platio(プラティオ)」は、誰でも簡単にモバイルアプリを作成できるノーコードツールです。さまざまな現場の業務に合わせた100種類以上のテンプレートが用意されており、自社の業務に合ったものを選び、必要に応じてカスタマイズするだけで、すぐに現場での運用を始められます。
さらに、Platioはデータ連携ツール「Asteria Warp」と組み合わせた「Platio Connect(プラティオコネクト)」も提供しており、kintoneやさまざまな基幹システムとの連携が可能です。
Platioで作成したモバイルアプリを使えば、現場で入力したデータをそのままkintoneに共有でき、可視化・分析・業務改善など、現場のデータ活用をスムーズに行うことができるようになります。
「kintoneもノーコードでアプリが作れるのに、Platioが必要なのか?」と疑問を持つ方もいるかもしれませんが、両者には違いがあります。kintoneは主にWebブラウザ(PC)での利用を想定しており、例えば製造指図管理や設備管理、進捗確認など、オフィスでの利用に適しています。
一方、Platioで作成するのは、現場での利用に特化したモバイルアプリです。作業報告や設備点検、チェックリストなど、情報をスピーディーに記録・送信することに長けています。Platioで収集したデータをkintoneに連携することで、現場のデータを一元管理することが可能になり、迅速な意思決定や業務改善につながります。
Platioとkintoneを組み合わせた活用は、業種や業態を問わず多くの企業で成果を上げています。
ここからは、Platioとkintoneを組み合わせて、業務効率化やデータ活用に成功した事例をご紹介します。
Jマテ.カッパープロダクツ様は、水道部品や産業機械部品を製造する銅合金メーカー。
Platioで作成した「入出庫管理アプリ」を取引先のカワトT.P.Cの工場に導入してもらい、納品した素材の使用状況や在庫をリアルタイムで把握できる仕組みを構築しました。
さらに、Platioアプリと基幹システムやkintoneをRPAツールで連携させることで、これまで手作業だった入力作業の自動化に成功。現場の負担を減らしながら、情報の正確性と更新スピードを大幅に高めることができました。


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ニックス様は、クラウドサービスの導入コンサルティングや開発支援を行っているシステムインテグレーター。
Platio Connectを活用して「テレワーク診断アプリ」をわずか3時間で開発しました。さらに、Chatworkやkintoneなどと連携させ、診断結果に基づいたレポートを自動で作成・配信する仕組みを1日で構築しました。
この仕組みにより、フォロー業務が自動化され、約300件の診断レポート生成から配信までを自動化し、約150時間の工数削減と作業効率化に成功し対応のスピードが大幅に向上。診断レポートを来場者へ当日配信、営業効率が向上し約4割が具体的な商談に繋がっています。


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RICOH kintone plusは、kintoneをベースにリコーが独自開発したサービスです。
kintoneの基本機能はそのままに、「リコー複合機との連携」「独自開発の便利なプラグイン機能」など、リコーだからこそ提供できる「あったらいいな」という便利な機能を標準で搭載しています。
kintoneをもっと有効活用したい、紙や表計算ソフトからの脱却をもっと効果的に促進させたい、そうしたお悩みをRICOH kintone plusが解決します。
kintoneは現場業務の効率化に貢献するツールですが、紙やExcelの併用、オフライン環境での制約、そしてIT人材不足といった課題はいまだ多くの現場で見られます。
ボトルネックを乗り越え、現場データをもっと活用するためには、モバイルアプリとの連携が効果的です。
Platioで作成したモバイルアプリであれば、現場での情報入力や共有がよりスムーズになり、kintoneと連携することで収集したデータを全社レベルで活用することができます。
以下の資料では、Platioとkintoneの連携ユースケースや導入メリットを詳しく解説しています。kintoneをさらに活用して、現場DXの推進をしたいご担当者様はぜひご覧ください。
現場でよく見られる課題を具体的に挙げ、その解決策としてノーコードツールであるkintoneとPlatioに焦点を当て、それぞれの特徴を紹介します。